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2007.07.22 18:06

21世紀神様の悩み その1

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松宮園生です。

地球の人口は20世紀以降、大幅に増えました。
人口が増えると、当然、死亡する人数も増えます。
これは神様にとって頭の痛い問題でした。

まず、天国に行くのか地獄に行くのかを「審判」しなくてはいけませんが、その審判が長蛇の列で忙しくてしかたがありません。
次に、天国の人口も増えますし、地獄の人口も増えます。

人口増加に悩む神様に対し、アメリカ人のマクガバンという人が、自分が生前にものした5000ページもの分厚い報告書を献上しました。
人間世界では「マクガバン・レポート」と呼ばれているものです。
1977年に、マクガバン上院議員がアメリカ議会で発表した、アメリカ人の生活習慣病について調べた報告書のことです。

神様はこのレポートを読んでびっくり仰天。
というのは、人間世界がいかにおかしなことになっているかがその報告書に書いてあったからです。

かたや、毎日の食料にも事欠く国で苦しんでいる人々がいるかと思えば、
かたや、アメリカや日本のような国では、飽食のあまり人々がメタボになっている。

けしからん。
神様は急遽、地獄をもうひとつ増やすことにしました。
名づけて「メタボ地獄」。
親からもらった大事な体なのに、運動不足と飽食にまみれてダメにした罪。
そんな罪人が行くところです。

そこはメタボな人の集まりでした。
メタボな人でひしめきあっているので、不快指数がたいへん高い状態になっています。
メタボ地獄には人語を話すカエルがたくさんいて、毎晩、
「お前の母ちゃん出不精」
「お前の父ちゃんメタボ」
と鳴き続けます。
それに呼応して別の種類のカエルが子どもの泣き声で、
「うちの母ちゃんは出不精なんかじゃないもん」
「うちの父ちゃんはメタボなんかじゃないもん」
と鳴き続けます。
自分のせいで子どもが苛められるのを聞き、罪人たちは涙を流すのです。

しかし地獄を増やすことだけが神様の意図ではありません。
よいことをした人には、よい報いがあるべきです。

人間世界も、メタボが増えるのを黙認していたわけではありません。
アメリカではフード・ピラミッドというものができ、日本では食事バランスガイドというものができました。
アメリカでは「ヘルシーピープル」という総合健康政策が打ちたてられ、日本でも「健康日本21」という総合健康政策が計画されました。
「食育基本法」という法律が日本で誕生しました。
その後すぐに、「食育白書」という本がこれも日本で発行されました。
日本ではさらに、特定保健指導という仕組みが始まろうとしています。
(この一連のストーリーは書くと長くなるのでここでは省略)

人間がこうした努力をしていることを知った神様は、多少感心しまして、人間にご褒美を与えることにしました。
すなわち、メタボ罪人に新しい地獄を用意した代わりに、親からもらった体を大事にして天寿をまっとうした人間には新しい天国を用意することとしました。

名づけて、「ヘルス天国」。

「お、お待ちください」天使があわてて言いました。「その名前では誤解を招いてしまします」

「おおそうか。それもそうだな」
そう考えなおした神様は、「ヘルス天国」という名前をやっぱり却下し、「ウエルネス天国」という名前に変えました。
(神様のネーミングセンスを問うのはやめましょう)

そこはウエルネスな人の集まりでした。
たとえば、雑誌「ターザン」を読む人だけが集まった世界を想像してみてください。
なんか、そういう雰囲気のところです。
よく分かんないけど。

で、「メタボ地獄」「ウエルネス天国」が開店して徐々に賑わいだしたころ…

(以下次号)

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