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2007.06.09 00:41

カングロ葉竹さんと羊の沈黙

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松宮園生です。

「バウムクーヘン宣言」に出てくる葉竹さんが、まだ駆け出しの若かりし頃の話です。
葉竹さんははじめ酪農家に飼料(ウシやブタなどの食べ物。干し草とか)を買ってもらう会社に勤めていたそうです。

入社してしばらくは、どこだったかの山のふもとで羊を飼っている農家のところに住みこみ研修をしていました。

そんなある日のこと。

葉竹さんは羊の群を遊ばせながら、自分もひなたぼっこをしていました。
もうしわけ程度に作られた柵のむこうに人影がありました。
その人物(男性サラリーマン風)が近づいてきました。

「いい天気ですねえ」その人が話しかけてきました。「それにたくさんの羊ですねえ」
「ああ」葉竹さんは寝そべったままで言いました。
「すごい数ですよね」
「すごい数だ」
「何匹いるんですか。てゆーか、羊の数えかたは何匹とかでいいんですか」
「いいんじゃねえの」葉竹さんはめんどくさそうに答えました。
「500匹くらいいるんですかね」と、その男性が言いました。

葉竹さんのなかにイタズラ心がわいてきました。彼は起きあがって言いました。「何匹いるか、当ててみるかい、おじさん。正確に当てられたら、羊、好きなのを1匹やるよ。そのかわり、外れたら1万円よこしな」
「じゃあ当ててみましょう」意外にも、その人物は賭けに乗ってきました。

彼は数秒間、羊の群をながめていましたが、すぐに言いました。
「511匹。どうですか」
葉竹さんは仰天しました。「正解だ。どうして分かったんだ」
「長年バードウォッチングをやってたんです。じゃあ、約束どおり羊を1匹もらいますよ」
彼は羊の群に入って、物色しはじめました。

その様子を見ながら、葉竹さんは言いました。「今度はオレがあんたの職業を当てようと思うんだけど、どうかな? 当てたらそれを返してくれ。外れたら1万円、払うよ」
「いいでしょう」その人物は答えました。「では当ててみてください」
「あんた、農林水産省の人だろ」

今度は彼が仰天する番でした「な、なんでわかったんですか?」
「聞きたいかい?」
「聞きたいです」
「じゃあ教えてやるよ」葉竹さんは言いました。「教えてやるからさ、その前にあんたが連れて行こうとして抱えているその犬、おろしなよ」

 

 

 

 

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