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食育の世界でなにかしてみたい人、活躍してみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。
◆◆◆
チーフの松宮園生です。
(前回までのあらすじ)
バナナのムロ会社を買収しようと暗躍するテケテケ商事。腕利きのスパイ松宮園生の魔の手が、ムロ会社に迫る。大丈夫かムロ会社?
テケテケ商事の陰謀を防ぐため、メキマンが横浜に上陸。
テケテケ商事では、その知らせに怯えて大勢の社員が逃亡。残った数少ない社員でメキマンとの対決に挑む。
そんななか、僕の携帯にメキマンからメールが来ました…。
◆◆◆
メールをもらって驚きましたが、無視するわけにもいかない気がしたので、返事を書くことにしました。
「メキマン様。毎度お世話になりありがとうございます。ご依頼の件、検討させていただきたいと思いますが、その前にいくつか確認をさせてください。
貴殿はどのような方なのですか?
貴殿について質問すると、皆が顔を赤らめてモジモジするのはなぜですか?
それなのに貴殿が近づくと皆が逃げてしまうのはなぜですか?
なぜ貴殿はテケテケ商事がキトキト物産を買収するのを防ぎたいのですか?
メキマンからの返事はありませんでした。
返事がないまま、僕は最終調査地、松山に到着してしまいました。
◆◆◆
バナナは世界中で大量消費される果物です。
毎日莫大な金額の取引が、世界各地で行われています。
それもあり、バナナの貿易ビジネスには陰謀の噂が絶えません。
たとえば南米のコロ×ビアもそうで、あの国のマフィアさん(さん付けしちゃいました。怖いので)の資金源は麻薬だけではありません。
かつて、そんなことを知らない僕のところにコロ×ビアの会社から電話がありました。
「お電話ありがとうございます。食育プロダクション株式会社(http://shokuiku-pro.com/)です」
「バナナ・シンジケートちゅー者なんやけど、社長さん、おるかな?」
「社長の松宮です」
「さっそくやけどコロ×ビア産のバナナなんやけど、国として本格的に日本に売りこみたい思いましてな。マーケティングのプランニングをまっつんにお願いしたいんや。ご褒美やけど、バナナ1年分でどやろか? ええ話やと思いますけどなあ」
バナナ1年分って、サルかオレは。
それにまっつんて誰のことだよ。その呼ばれかた、キライなんだよ。トラウマ持ってるし。
なめるな、と答えて電話を切ると、またかかってきました。
「さっきのは冗談や」バナナ・シンジケートと名乗る人物は言いました。「報酬は×××万円くらいでどや思てます。期間は1か月。如何でっしゃろ」
1か月仕事して×××万円。
金額が僕の怒りをかき消しました。
僕はその仕事を引き受けました。
「世界中からこんなにたくさんバナナが日本に輸入されているにも関わらず、いまさら自国のバナナを売り込みたいコロ×ビア政府のために、彼らのバナナを上手にPRする方法を考え、企画書を作る」
そういう仕事でした。
しかし、そんな難しい仕事をたった1人でやる自信はありません。
報酬が×××万円ということは、2名でチームを組んで報酬を折半しても良い金額です。
というわけで、僕は仲間を募ることにし、知り合いに話を持ちかけました。
するとその知り合いが言いました。「あんたそれヤバイよ」
「どういうこと?」
「あんたが受け取るお金、マフィアの資金洗浄とかに使われるんじゃないの?」
「まさか」
「気をつけたほうがいいよ。実はオレも何年か前にコロ×ビアのバナナ会社とつきあいがあってさ…。直接の商売はなかったんだが、縁があってコロ×ビアのバナナ農場を見学に行ったのさ。そしたら本国に入れなくてさ、近くの島で1週間も待たされたんだよ」
「どうして?」
「農場はマフィアが仕切っててさ、よそ者が来たら殺すと言い始めたらしい。バナナ会社のエージェントがあいだに立って、マフィアをなだめようとしていたそうだけど、うまくいかなかった。で、そのまま日本に帰ってきた」
「そんなことがあったんだ」
「オレが知ってたバナナ会社のエージェント、日本人だけど、その何日かあとに行方不明になったよ」
「ひぇー(←死語)」
「あの国には関わらないほうがいい。くわばらくわばら(←死語)」
話を聞いてすっかりビビってしまった僕は、その仕事を断ることにしました。
ところがです。その夜にバナナ・シンジケートのほうから電話がかかってきて、
「報酬、前金で払うたるわ。まっつんの口座に振り込んでおいたさかいに。期待してまっせ」
「ちょ、ちょっと。あの、じつはですね」
「金は払うたよ。しっかり頼んまっせ。逃げたら、あかんで」
電話が切れました。
機先を制された感じです。
気がついたら失禁してしました。
洗濯機を回し、床を掃除しながら僕は泣く泣く決心しました。
生きていたかったら、仕事しよう。
失禁して、かえって気持ちが落ち着いたようです。
いやまてよ。
生きていたかったら、仕事しよう。
これって、普通のことじゃん、よく考えたら。
恐怖で鼻水まみれになりながら、自分にツッコミを入れる松宮でした。
で、それから必死に仕事をしまして、企画書なんかも山のように作って彼らに渡し、1ヶ月後に契約は終了しました。
とりあえず無事に1か月がたったわけです。
あれから数年をビクビクしながら過ごしましたが、今のところバナナ・シンジケートから連絡もなく、刺客が送られてくることもなく、国税局やFBIやCIAに追われることもなく、まだ生きてます。
コロ×ビアのバナナも、たまにスーパーマーケットで見たりします。
◆◆◆
いやー、あの1か月間は生きた心地がしなかったなあ。
でも、あれから連絡がないということは、
「松宮の仕事(企画書)はあきまへんな。あんなアホに仕事頼むのは、もう止めときまひょ」
ということなのかもしれません。
それはそれで悔しい話です。
連絡がほしいのか、ほしくないのか、複雑な心境です。
松山の路面電車に乗りながらそんなことを思い出していると、携帯にメールが届きました。
差出人:メキマン
ようやくメキマンから返事が来たようです。
(以下次号)