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2007.06.18 22:33

バウムクーヘン宣言 その5

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◆◆◆

チーフの松宮園生です。

前回までのあらすじ)
「丸投げ鵜呑み」のアグリドラゴン。しかもそのツケが入社初日の葉竹さんのところに回ってきました。
葉竹さんはいきなりクレーム処理におおわらわ。
どうやら事件の背後には、怪しげなコンサルタントがいることが分かりました。
「丸投げ鵜呑み」もイカンけど、そこにつけこむコンサルタントもイカン。
コンサルタントをどやしつけようと考えた葉竹さん、コンサルタントを呼びつけます。
あらわれた相手をみてびっくり仰天。
なんとそやつは、30年来の仇敵、宿命のライバルありました。

◆◆◆

「き、貴様か!」
お互いを指さして叫ぶ2人の男。
その場の気温が5度、上昇しました。
周囲の若者たちが、「なにが起こったんだ」と目を白黒させています。

最初に攻撃をしかけたのは葉竹さんでした。
「やいてめえ」葉竹さんは言いました。「相手が素人だと思ってなめたマネしやがったな。このオレが来たからにゃあ、てめえの思うようにはさせねえぞ」
「なに言ってやんでい」コンサルタントも負けずに言い返します。「少しでも安い野菜を持ってきてやろうと思った親心よ。人の好意はありがたく頂戴しやがれ」
「親心だと? 好意だと? てめえの脳みそのどこに親心だの好意だのがあるんでい。おかしくてヘソが茶をわかすわ(←死語)」
「ヘソが茶をわかすだと? けっ。やってみやがれ、この田舎もんが」
「やってやろうじゃねえの」(←やるの?)

お茶といえば、妙にドンピシャのタイミングで、若くてきれいな女性社員がお茶を持ってきました。

「おう、ありがとよ。別嬪さんだねえ」コンサルタントはうれしそうに言い、お茶をひとくちすすりました。
ずずず。
「おめえも茶、飲めよ」

「言われんでも飲むわい」
葉竹さんも、お茶をすすりました。
ずずずずずず。

なんだか間延びしたケンカです。

◆◆◆

彼らがお茶をすすっているあいだに、ちょっと解説しましょう。

このコンサルタントは多賀安秀夫という名前で、農業の世界では知る人ぞ知る人物です。
葉竹さんも同様に、知る人ぞ知る人物です。
知名度は、だいたい同じくらいでしょう。

葉竹さんが九州出身、多賀安氏が東北出身であるため、
「北の多賀安、南の葉竹」
と僕は勝手に呼んでいます。

この2人、じつは同じ△▽大学の出身です。
△▽大学といえば、名の知れた大学です。

同じ農学部の、しかも同学年でした。
受験に1度失敗し、浪人していた点も、共通しています。

このころから、2人はいがみ合っていました。
卒業してもいがみ合いは続き、2人とも農業コンサルタントの世界に身を投じたものだからたまりません。
どこにいっても衝突していました。
女性をめぐっていがみ合うこともあったと聞いていますが、真偽の程はわかりません。

じつはこのいがみ合い、かなり大勢の農家さんを巻き込んだ「勢力争い」になっています。
「葉竹とつきあう農家は、農家じゃねえ」
「多賀安に味方する農家は、ぜんぶ敵だ」
などとお互いのグループで吹いてまわるものですから、肥料メーカーや農薬メーカーも巻き込まれてしまい、あっちの陣営と商売したらこっちの陣営から嫌われる、なんてことになっています。

いがみ合いに「参戦」しているのは年配の農家さんが多く、
どっちでもいいじゃんよー。とにかく仕事してくれよー。
若い農家さんの本音はこうでした。

なぜそんな昔からいがみ合っているのでしょうか?
それには深いわけがありました。

話は1970年代にさかのぼります。

(以下次号)

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