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2007.06.25 00:10

ターザン栄養学 その4

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◆◆◆

チーフの松宮園生です。

2000年に厚生労働省(実際には、当時はまだ『厚生省』だったと思います)は「健康日本21」という政策を発表しました。
国民のあいだで広く健康に対する意識を高めるために、国をあげてさまざまな活動を行う、というものです。

「健康日本21」のなかでは、「2010年の日本はこうでありたい」という目標が設定されています。
たとえばこうです。
メタボ男性の比率が15パーセント以下になっているといいなあ。
メタボ女性の比率を20パーセント以下になっているといいなあ。
メタボ小学生の比率が7パーセント以下になっているといいなあ。
みんなが塩分控えめで、1日あたりの塩分摂取量がひとり10グラム未満になっているといいなあ。
野菜を毎日ひとり350グラム以上食べるようになっているといいなあ。
朝ごはんを食べない大人が減っているといいなあ(20歳代・30 歳代の男性の15パーセント以下)。
中学・高校生は全員、朝ごはんを食べるようになっているといいなあ。

その後、2005年に「食育基本法」という法律ができました。
「国も自治体も、それぞれ予算をとって、食育政策を考えて実行しなさい」
という意味の法律です。

同じタイミングで、「食事バランスガイド」というものが発表されました。
タレントの優香さんの CM で知った方が多いと思いますので、
「食事バランスガイドは最近できたもの」
という印象があるかもしれませんが、作られたのは2年前です。

さらに2008年(来年です)には、「特定保健指導」という制度が動き始めます。
これは、40歳以上のメタボな国民に対して、生活改善のための指導を行うというものです。

「健康日本21」
「食育基本法」
「食事バランスガイド」
「特定保健指導」
こうした一連の動きは、じつはある程度アメリカの歴史を参考に作られています。

◆◆◆

というわけで、健康についてのアメリカの歴史をみてみましょう。

マクドナルドが現れる前からアメリカ人にはメタボ傾向があったようで。
100年前のある文献に、
「この国(アメリカ)が肥満社会になっていくのが心配だ」
というようなことが書いてあります。
実際にアメリカ政府も当時から肥満対策をやるつもりがあったようです。
ところが1929年にウォール街で株が暴落し、あの世界恐慌が始まりました。
肥満対策どころではなくなってしまいました。

世界恐慌 → ヒトラー出現 → 第二次世界大戦。
この間、肥満対策はなされませんでした。
生活習慣病よりも戦地で亡くなる人のほうが多かったわけですから、無理もありません。

戦争がおわり、アメリカは「世界一豊かな国」として繁栄を謳歌します。
すると、ふたたび生活習慣病の脅威がムクムクと頭をもたげてきました。

ガンや心臓病で亡くなる人が急増したのです。
当然、治療にかかる費用も増えていきました。

大統領でいうと、ケネディとか、ジョンソンとか、ニクソンとか、フォードとか、カーターといった顔ぶれの時代です。
世界恐慌から半世紀ほどたったころの話です。

この5人のうち誰だったか忘れましたが(たぶんニクソンかフォードです)、
「どうもこの国はおかしいぞ」
と思ったのでしょう。アメリカ国民の生活調査というのを実施しました。
その調査のリーダーになったのが、上院議員のマクガバンという人です。
マクガバン上院議員は2年ほどかけて調査を行い、その結果を議会で発表しました。

有名な「マクガバン・レポート」です。

このレポートが公表されたとき、全米は大騒ぎになりました。
「アメリカ人の食生活はひどすぎる。そのせいで心臓病やガンなどの病気が増えた。このままでは、今世紀(20世紀)の終わりまでに、アメリカは医療費だけで破産する」
という内容だったからです。

どっひゃー(死語)。
大変です。
大統領もふくめ、政治家の皆さんもビビりました。
資本主義の盟主国であるアメリカが、医療費ごときで破産するわけにはいきません。
あわてて政府は、生活習慣病を減らすために「食育政策」を始めたのでした。

その食育政策には「ヘルシーピープル」という名前がついており、今でも実施されています。

(以下次号)

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