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松宮園生です。
クルマを走らせ500マイル(800キロ)のドイナカに来ています。
写真のような雰囲気のところです。
ガラガラヘビもいます。
泊まっているボーテル(ボロボロのモーテル)はネットのアクセスが
いまどきダイヤルアップしかありません。
(↑江戸か)
(↑ダイヤルアップは江戸じゃねーだろ)
何しにこんなところに来ているかというと…
◆◆◆
アイダホ州というところがあります。
超ドイナカです。
「アイダホ・ポテト」
って、聞いたことあります?
アイダホ州は、ジャガイモの産地として有名なところです。
他には大豆も作ってます。
昨今の「日本食ブーム」で豆腐に使う大豆がよく売れているので、ほくほく顔(←死語)をしています。
ホントに一番ほくほく顔(←死語)をしているのは、農家さんではなくてカーギルだと思いますが、それを言うと陰謀に巻き込まれてしまうので、言わないことにします。
(カーギルと陰謀の関係については、ここをクリックしてください)
アイダホ州とワシントン州の境目で大豆を作っている農家さん(ほくほく度:7)からこんな電話相談を受けました。
「ジョン・ソイビーンというケチな野郎でござるが」と電話の声の主は言いました。「おれのこと、覚えているかね?」
「は?」
「むかしケンタッキーにいたんだけどね。あんたの取材を受けたことがあるよ」
「なぬ!(←死反応)。ひょっとするとあんたはあのジョンか?」
「そのジョンでござる」
「で相談でござるが」ジョンは言いました。「あんた日本人でござるな。トウモロコシ買ってくれないかな?」
「さっき昼メシを食べたばかりだよ」僕は言いました。
「食べてほしいのではござらん。そんなことのために電話するわけがないだろ」
「あはは。そりゃそうだ。これは一本取られたね」
なにを一本取られたのかさっぱりわかりませんが、和気あいあいとした会話は続きます。
◆◆◆
要するに、こういう話でした。
日本でも新聞やテレビで報道されていると思いますが、一昨年から石油の価格が高騰しています。
ということはガソリンの価格もすごい値上がりしています。
ひょっとしたら皆さんのなかにも、
「いままでハイオク入れてたけど、レギュラーにしよ」
「なるべく電車に乗ろう」
なんてドライバーの方がいらっしゃるかもしれません。
石油が値上がりしている理由は主に2つです。
1) 中東の産出国が石油の生産量を上手にコントロールしていること
2) 中国あたりが急激に経済発展をし、急激に石油を買い始めたこと
理由はどうあれ、クルマ社会であるアメリカでは、石油の値上がりは大問題です。
「石油に代わる燃料を探せ」
ということで、いろいろ大騒ぎしまして、目をつけられたのが
「バイオエタノール」
でした。
バイオエタノールとは、植物から作るエタノール(エチルアルコール)です。
ガソリンと混ぜて使います。
なかでもトウモロコシが向いているというので、アメリカでは食料ではなく燃料向けのトウモロコシが高値で飛ぶように売れました。
これを横目で見ていたジョンは、
「おれもトウモロコシを作るでござる。大豆もまあまあ儲かったでござるが、トウモロコシはもっと儲かるぞ。ムフフ」
と考えました。
彼は最初、アメリカ国内向けにトウモロコシを出荷しようと思ったそうですが、
「石油が値上がりすると、日本はもっと困るに違いない。トウモロコシを欲しがるに違いござらん」
と考え、日本向けに輸出することを思いつきました。
で、手軽なところで僕に電話してきた、と、こういうわけです。
◆◆◆
ジョン・ソイビーンの農場は飛行機で飛ぶような距離でしたが、いろいろ事情があって僕はクルマを走らせました。
早朝に出発し、荒野を休みなしで走り、ジョンが予約してくれたボーテル(ボロボロのモーテル)に着いたのは夜の9時。
マジで疲れました。
ボーテルにチェックインすると、ジョンからのメモ書きがありました。
読みにくい字で、こう書かれていました。
「ワイフに浮気がバレたでござる。ちょっと仕事どころではござらん。数日そこで待っていてくれ。かたじけない」
またかよ…
その場に茫然と立ちすくむ松宮でありました。
(以下次号)
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