ホーム > マツミヤ倶楽部 >

2007.05.12 00:07

「寿司ポリス」ストーリー (前編)

スポンサードリンク


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆

チーフの松宮園生です。

日本食、世界各地でブームです。
日本食のレストランも乱立しています。
農林水産省の推計ですが、海外にはおよそ2万5千もの日本食店があるそうです。

そのなかにはまあいろんな店があり、おおざっぱに言うと
1) ヤマトダマシイ型
2) カメレオン型
3) なんじゃこりゃぁ型
に分類されます。

アメリカの場合の、それぞれの特徴を書きます。

1)「ヤマトダマシイ型」
見るからに日本っぽい店のことです。
客も大半が日本人です。
オールドモデルとニューモデルがあり、オールドモデルの店では例えば薬師丸ひろ子のポスターが今でも萌えキャラです。

2)「カメレオン型」
ようするに、現地の好みに合わせて変化しているタイプのことです。

いろんなパターンがありますが、最近気になるのは、
日本で修行をしたアメリカ人が、金持ちアメリカ人のために開いた本気の日本食店
というのがあることです。

こういう店の中身はヤマトダマシイ的ですが、日本人客は1人もいません。
着飾ったアメリカ人で満席。
お値段も2人で400ドル(約5万円)。
味や雰囲気はかなりグー(←死語)です。いかにも高そうなたたずまいです。

なぜ日本人がいないかと言うと、店のオーナーが日本人に店の宣伝をしていないからです。
なぜ日本人に宣伝しないかというと、日本人が来なくったってアメリカ人客だけで採算がとれるからだそうです。
生意気ですねえ。
(むかしはこんなことはありえませんでした)

こういう店は、
まずアメリカ人のあいだで話題になり、
その後、アメリカ人に教わって日本人がやってくる
というプロセスを踏みます。

こういう、「日本人の知らない来ない流行日本食店」を知っている日本人は、現地日本人社会でちと鼻高々(←死語)だそうです。

3) 「なんじゃこりゃあ型」
話題として面白いのはこのタイプです。
自分は行きたくないけど、誰かが行ってハマった話を聞くのは面白い。
合コンの罰ゲームにも使えるタイプです。

昨日まで中華料理をやっていた中国人の劉さんが、「日本食が人気だ」と聞いて今日から日本食屋に転向した、というパターンが多い。

たとえば店の名前。
昨日まで「四川飯店」だったくせに、今日から日本風の名前に変わります。
しかし劉さんもいちおう少しは考えます。
「富士」とか「将軍」とか「加賀」とかはあまりにもベタすぎる。
もうすこし今どきな名前にしよう。
そう考えた劉さんは、知り合いの日系人に「最近日本でどんな言葉、流行っているアルか?」
と相談します。

その日系人に教わって、つけた今どきな名前が
「世界中心愛叫」(1号店)
「同情無用金欲」(2号店)

…なんか色々と感覚ズレてますけど、しかたねえ許すとするか。

で、昨日までエビチリとかタンタン麺を出していたくせに、今日から寿司を作り始めるわけです。
どんな寿司になるか、なんとなく想像つきますよね。

たとえば、日本では寿司のシャリが酢飯であることを、劉さんは知りません。
日本ではネタの新鮮さが重視されていることを、劉さんは知りません。
日本ではマスタードではなくワサビを使っていることを、劉さんは知りません。
日本ではウスターソースではなく醤油を使っていることを、劉さんは知りません。
しかも、醤油は食べる人が自分の好みでちょっとつけるだけで、はじめから醤油に浸して出てくるものではない、ということを劉さんは知りません。

劉さん本人は、図鑑をみながら日本の寿司を一生懸命マネているつもりなのですが、結果的にはキワメテ自由な発想の寿司が生まれるわけです。

(以下次号)

人気ブログランキング ← 応援クリックおねがいします。

  • ブックマーク:
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク
  • この記事をクリップ!
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • この記事をChoix!
スポンサードリンク

関連記事:3件

コメントを投稿