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2007.05.24 10:56

食育は英語で何というの? その8

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◆◆◆

チーフの松宮園生です。

このテーマを書くのは久しぶりです。
前回(その7)をご覧になりたい方はここをクリックしてください。

◆◆◆

食育の仕事に関連して、
日本にもあるようでないような、アメリカの職業の話です。

Health Educator (ヘルス・エデュケーター)
という職業があります。
就職活動中の学生さんにも人気の職種です。
その証拠に、
「ヘルス・エデュケーターになりたい人のための就職マニュアル本」
というのが本屋さんに置いてあります。
雑誌なんかで
「将来有望な職種トップ100」
という特集があると、たいがい上のほうにランキングされます。

米国労働省の試算では、ヘルス・エデュケーターの求人は毎年増加すると見られています。
現在、年間8千人くらいの求人があります。
つまり、毎年8千人の新規採用があるということです。
2010年にはこれが年間1万人を超えると言われています。

就職先はこんなところです(=こういうところが求人広告を出してます)。
* 自治体
* コミュニティ
* 「健康プログラム」を商品にしている企業(ベンダーと呼ばれます)

◆◆◆

ヘルス・エデュケーター。
無理やり日本語に直すと、
Health (ヘルス)= 健康
Educator (エデュケーター)= 教育者
ということで、
ひとよんで「健康教育者」。

なんかしっくりこない訳語だな…。
昭和の香りのするネーミングっつーか…。
しかしほかにグッとくる訳語、思いつかないし。

「健康指導士」という訳しかたもありますが、日本にはたしか「健康運動指導士」というホンチャンの資格があるので、この訳語ではごっちゃになってしまいますね。

ということで、仕方ねえ、翻訳はあきらめましょう。
カタカナのままで我慢しておくんなせえ。

◆◆◆

ヘルス・エデュケーターは、資格名ではありません。
仕事の名前です。

資格ではないので、知識とスキルさえあれば誰でもできる仕事です。
(ただし、CHS という名前の検定試験があり、この試験をパスすると就職に有利)

資格名ではないので、企業の求人広告のセリフは
「ヘルス・エデュケーターを募集します!」
ではありません。

仕事名ですので、
「ヘルス・エデュケーターのポスト空いてます。誰かやらない?」
という言いかたになります。

(この違い、なんとなくお分かりでしょうか?)

ヘルス・エデュケーターの仕事は、収入、悪くないです。
平均年収で4万2千ドルくらいだそうですので、日本円に換算すると500万円くらい。
アメリカの生活物価の水準を考えると、実際には日本で600 - 700万円くらいもらっている感覚に近いです。

◆◆◆

具体的になにをする仕事かというと…。

この国には「健康プログラム」を商品にしている企業がたくさんありまして、
会社や、自治体や、コミュニティなどに「健康プログラム」を売っています。

「健康プログラム」という商品は、多くの場合、
「仕組み」
「人材」
がセットになっています。

「仕組み」というのは、たとえば
* ヘルシーメニューを社員食堂で手軽に食べられる仕組み
* 自分の健康に社員がもっと関心を持つような仕組み
* 健康をテーマにしたいろんな社内イベント

「人材」というのは、たとえば
* ヘルシーメニューについての社員の質問に答える人材
* 自分の健康に社員が関心を持つような企画を実行する人材
* 社内イベントを実行する人材
です。

この「人材」の部分を担う人を
ヘルス・エデュケーター、ひとよんで健康教育者
というわけです。

したがってこんな仕事をします。
* 社員食堂のシェフを口説いてヘルシーメニューを作ってもらう
* 社内誌に記事を書く
* 社内で健康セミナーを開き、自分も講師をする
* 健康ポスターを作り、社内のあちこちに貼る
* 健康イベントの指揮監督をする

ここまでは、日本でいう「食育の仕事」のイメージに近いですね。
子供の食育ではなく、大人の食育ですけど。

こういう仕事がちゃんと
「求人広告に出る」
ように、日本もならないかなあ…。

ヘルス・エデュケーターの仕事には、さらにこういうのも含まれます。
* 会社が「健康プログラム」に来年もお金を出してくれるように、日頃から社長さんや重役をヨイショする
* 「健康プログラム」を支援する補助金を自治体が出す場合があり、その補助金を獲得するための申請書を書いたり、審査員の前でプレゼンテーションをしたりする

このへんは、ヘルスケアというよりもビジネスマンの仕事に近いですね。
ま、ここまでやるんだったら、たしかに給料もよくないとね。

日本で言うと、
* 栄養士さんの仕事
* ライターの仕事
* 講師の仕事
* ポスターなどのツール制作の仕事(広告代理店や企画会社のような仕事)
* イベントの仕事
* ビジネスマンの仕事
を全部足して因数分解して微分して割って、よく練ってコショウをふって電子レンジで10分チンしたような感じでしょうか?

個人的には、
「プロフェッショナルな食育の仕事」
って、ひとつにはヘルス・エデュケーターみたいな形もありなんじゃないかなあ、と思います。
仕事の内容も面白そうだし。
年収だって悪くないし。
将来有望だっていうし。

今回はここまでとさせていただきます。松宮

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