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食育の世界で活躍してみたい人、必見!
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食育の世界にご案内します。
◆◆◆
チーフの松宮園生です。
(前回のあらすじ)
アグリドラゴンという勇ましい名前の会社に部長として就職したガングロ葉竹氏。
就任した初日、葉竹氏の歓迎会が催されました。
ほろ酔い加減でそろそろ誰かが裸踊りでもしそうな頃合いに(←昭和か)、突然トラブルが飛び込んできました。
売上の半分を占めるいちばんのお得意先から電話がかかってきて、
「おたくの商品は全部国産のはずだよな。それがなんだ、中国産のものが混じっているじゃないか。
どうなっているんだ。ただちに責任者が説明に来い。今すぐ来い。2時間以内に来い」
というものだったのです。
◆◆◆
就任初日とはいえ、責任者といえば葉竹氏しかいません。
葉竹氏は、ひとりでお得意先の事務所に向かいました。
呼びつけられたところは横浜の大黒埠頭にある物流倉庫です。
大黒埠頭というのは横浜港の一角にある埋立地で、貨物船がばんばん横づけするところです。
そのために物流倉庫も密集しています。
酔いもさめた葉竹氏がタクシーを降りてふと目をやると、夜であるにもかかわらず近くで大きなコンテナ船がバナナの荷降ろしをしているところでした。
暗がりに明かりをつけて荷降ろしをするコンテナ船は、まるでチョウチンアンコウのようです。
「横浜といえば、メキマンが上陸したって、いってたな…」
つぶやく葉竹氏。
ふいに甘酸っぱい気持ちがこみあげてきました。
「いやいや、自分には関係のないことだ」首を強く横に振り、甘酸っぱい感情をかき消すように、葉竹氏は早足で歩き始めます。
お得意先の事務所で、葉竹氏は飛んで火に入る夏の虫。
さんざんに絞られました。
「見ろよアンタ、これを」
広い倉庫の中。
先方の部長さん(わりと日焼け)が指さす先には段ボール箱が山積み。
ホウレンソウだのネギだのが入っています。
問題はその箱でした。
書かれている文字が、漢字だらけなのです。
みるからに、中国語です。
「これ全部、オタクから届いたんだよ」
「秋葉原からですか?」
「そのオタクじゃねえよ。アンタの会社から届いたっていってんだよ」
「はあ」
「ウチは日本の農家としかつきあっておりません、って言ってたよな、あんたのとこの若いの」
「はあ」
過去の事情を知らない葉竹氏には、「はあ」という以外に言葉がありませんでした。
「こういうのをね、羊頭狗肉(ようとうくにく)っていうんだよ」先方の部長さんは嫌味たっぷりに続けます。「またの名を、詐欺という」
「ヨートークニクって、なんですか? 学校、行ってないんで…」
「羊頭狗肉も知らねえのかよ。あきれた人だねあんた。それじゃ大学、受からんぞ」
「いや、ですから学校、行ってないんで…」
「羊頭狗肉ってのはな」その部長さんは言いました。「ヒツジ頭にイヌの体をしていることをいうんだ」
「はあ」
「またの名を、嘘つきという」
これ、口グセのようでした。
つーか部長さん、羊頭狗肉の説明、わけわかりません。
「とにかくだな」長々と説教をしたあと、その部長さんは言いました。「オタクの責任で、つっても秋葉原って意味じゃねえぞ。アンタの会社の責任で、これ全部回収すること。代わりの国産野菜をすぐに集めてくること」
そういうことになりました。
◆◆◆
翌朝、葉竹氏がこの取引を担当していた若手社員(色白)に事情を聞いてみると…
「なーんだ、そんなことだったんですかあ」
あっけらかんと、その社員は言いました。
「産地なんて、ぜんぜんチェックしてませんでしたあ。どこから中国産が混じったんでしょうかねえ? ま、たまには中国だっていいぢゃないですかあ。中華料理うまいし。バレなきゃ」
ひぇー!
葉竹氏はこころのなかで叫びました。
こころのなかでバンザイの姿勢もしました。
あまりのことに、怒りさえわいてきません。
この会社、アグリドラゴンは、モラルもなければ、責任者も不明な会社だったのでした。
(けっこう深刻な状態で、次号につづく)