松宮園生です。
食育の話題を提供するのに、食べるものの「おおもと」を
担っている農業の話は避けて通れないなと思っています。
当初、このブログでは農業のことを書かないつもりでしたが、
考えを改めました。
今後はときどき、農業についても、思っていることを書こうと思います。
というわけで、今回は農業系の話です。
就農センターというのがあるのをご存知ですか?
農業をしてみたいと思うけど右も左も分からないという人が、とりあえず相談に行くところです。
各都道府県に、1つか2つ、あります。
たいていは県庁所在地に。
とある就農センターに僕は2度、行きました。
1度目は、農業をしてみたいと思うひとりの個人として。
2度目は、「食育プロダクション」の名刺をもって取材として。
まず1度目の話から。
農業をしてみたいと思うひとりの個人として行ったわけですが、
優しくいろいろ教えてくれると思ったのに、相談窓口に出てきたオジサンに、イヂメられました。
こんな会話です。
「農業したいんですけど」
「ふーん。何作るの?」
「えっ、いきなりそんなこと聞かれても…」
「何を作りたいかも決めずにここに来たの?」
「はあ…」
「土地はどこにあるの?」
「土地、ですか?」
「土地がなきゃ農業できないだろーが」
「はあ…」
「あんた、ここに相談に来るときはさ、どのへんの土地で何を作りたいかくらいは考えてから来なさいよ。結婚してる?」
「してますけど…。どうしてですか?」
「嫁さんが来ないからだよ。だから独身には農業は薦めないんだ」
「はあ…」
「それとさ、貯金はあるの?」
「貯金ですか? 少しくらいは…」
「農業は儲からないからね。貯金は食いつぶすつもりでいたほうがいいよ」
「儲からないんですか?」
「とにかくさ、あんたはなんの準備もしないでここに来たみたいだけど、どこで何を作りたいかくらいは決めてから来なさいよ。はいおしまい」
追い出されるように就農センターを去った僕。
右も左も分からないから相談に行ったのに、何を作るのかだの、土地はどこにあるのかだの、そんなことを聞かれても困ります。
それに、嫁が来ないだの、貯金を食いつぶすだの、まるで農業なんかやめておけと言わんばかりです。
そりゃ、僕はモテませんけどね。
1ヶ月ほどたってから、同じ就農センターに2度目の訪問をしました。
こんどは「食育プロダクション」の名刺をもって取材として。
さすがに同じオジサンは出てきませんでしたが、今度のオジサンはため息をつきながらこんな話をしました。
「去年、このセンターには1万人の相談者が来たんですよ。
とにかく応対が忙しくて大変でした。
休み無しで応対して、1日平均300人ですからね。
すごい数でしょう。農業は人気があるんですねえ。
でもね、社長さん、1万人の相談者が来るといってもね、
そのうち99パーセントは、相談に1回来るだけで、2度と来ないんですよね。
なんでか分からないんですけど。
だから本当に農業を始める人って、すごく少ないんですよ…」
99パーセントが2度と来ない理由が、僕にはよぉく分かりました。