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2007.04.30 17:55

ヘミングウェイ農業 その4

 
松宮園生です。

前回までのあらすじ)
美味しいマンゴーを生み出す有機農業国キューバ。
しかしキューバ政府はマンゴーを日本向けに輸出するのを禁止してしまった。
いったい誰が、何のために禁止令を出したのか?
その謎をさぐるべく、オニイサンと僕は常夏のカリブ海に飛び立った。
しかし、やっとの思いで政府高官に会えたというのに、なんだかよく分からない状況はいっこうに改善する気配をみせなかった…。

◆◆◆

さんさんと降りそそぐ陽光。
「軍隊のエライ人」ホセ・なんとか氏は、とうとうなにも情報をくれないまま去っていきました。
誰が禁止令を出したのかが分からないだけでなく、そもそも誰が農業大臣なのかも、さっぱり分からないままです。
おまけに、せっかく手に入れた有機栽培マンゴーはまだ口に入っていません。
(なぜ口に入っていないかは前回 その3をご覧ください)

「態勢をたてなおそう。とりあえず作戦会議だ」
オニイサンがそうつぶやいたので、われわれはホテルに帰りました。

ホテルに戻ると、思いがけないことに、数人の色黒の男女がロビーでわれわれを待っていました。
通訳の話によると、日本にあるキューバ大使館から、ここに来るようにという指示があったそうです。

混乱を避けるために、整理します。
「キューバにある日本大使館」
「日本にあるキューバ大使館」
は違うものです。

「キューバにある日本大使館」
これは日本政府の出先機関です。大使は日本人です。
日本人の大使の紹介で、オニイサンと僕は「軍隊のエライ人」ホセ・なんとか氏に会ったわけです。

「日本にあるキューバ大使館」
これはキューバ政府の出先機関です。東京にあります。大使はキューバ人です。

で、ホテルでわれわれを待ち伏せしていた連中は、後者すなわち「日本にあるキューバ大使館」、すなわち東京にあるキューバ政府の出先機関に指示されて、やってきたのでした。

色黒の彼らが何者で何をしにきたのかというと…
マンゴージュースを作っているメーカーの役員でした。
マンゴージュースを作り、瓶詰めにして各国に輸出しているようです。
で、売れ行きがよいので増産したい。コールドチェーンの増設にカネがかかるので、資金を出してくれないかという話でした。

コールドチェーンというのは、生産現場(工場)から消費現場(お店)までのあいだ、マンゴージュースを同じ低温状態に保つためのいろいろな工夫のことをいいます。
その増設のため、30万ドル(約3600万円)ほしいそうです。
「日本にあるキューバ大使館」に相談したら、ちょうどいい2人組の「カモ」が来るから陳情したらどうだ、と言われたらしい。

そんなカネ、どこにあんだよ。
それに「カモ」ってなんだよ。つーか、そこまで正直に答えんでよろしい。

陳情団にお引取りいただくのに2時間もかかりました。
おカネがない。たったそれだけのことを納得してもらうのに、2時間です。
でもこの2時間で、こういうことが分かりました。
(1) この連中も、自分の国の農業大臣が誰かを知らない
(2) マンゴーの日本向け輸出が禁止になっているのを知らない
(3) ジュースには輸出禁止令が出ていないらしい
(4) この連中は、われわれのことをチノ(中国人)だと思っている
(5) ヘミングウェイって、誰?

ああ、たしかにここはキューバです。
南国のキューバなんだ。

オニイサンと僕は、しみじみそう思いました。
カリブの海が砂浜をやさしく洗うように、われわれの焦る気持ちも洗われていきました。

その日の午後、われわれは仕事をしないで過ごすことに決めました。
前の晩に食べることができなかったマンゴーを、ホテルのレストランに持っていきました。
すると、お店のほうで食べやすいようにカットしてくれました。
気持ちに余裕ができたとたん、マンゴーを口にすることができたのです。

美味でした。溶けるような味わいです。

その後、元気のよみがえったオニイサンは美女をもとめてプールに行きました。
通訳と僕は、レストランに残りました。
専属の楽団が脳天気な音楽を奏でるのを聞きながら、マルガリータのおかわりをしました。

アルコールが回ってうとうとしかけたころ、通訳の携帯電話が鳴りました。
マンゴーを日本に輸出していたキューバ人の会社から、
「明日、ミーティングをしたい」
という要請の電話でした。

(問題の核心に迫れるかも…)
がぜん、目が覚めました。
気持ちに余裕ができたとたん、チャンスがめぐってきたのでした。

(次回 その5 に続く。次回は完結編だと思います)

 

 

 

 

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2007.04.29 22:11

イケてる就農センター その3

 
松宮園生です。

前回(その2)では、
農業人口を増やしたいと政府が望んでおり、
農業をやってみたい人はけっこうたくさんいる。
にも関わらず、実際に農業を始める人は少なく、農業人口は今も減り続けている。
という矛盾について書きました。

農業したいと思っている状態と、農業を実際に始める状態とのあいだには
「見えないダム」
があるようです。

◆◆◆

今回のテーマは、「ダム決壊作戦」です。

ダムを決壊させるには方法が2つあります。
ひとつは、
「ダムじたいに穴をあける」
ことです。

「そのうち農業をしたいナ?」と漠然と考えているサラリーマンが、
本当に農業を始めようと思ったら、どんな壁にぶつかるか?
壁はいくつもあるはずです。
これをひとつひとつ検証し、打ち破ることを考えるわけです。

たとえば、前々回(その1)で、就農センターで体よく追い払われた経験を書きましたが、あれもその壁のひとつです。

僕はなぜ就農センターであんな目にあったのでしょうか?
農業についてまったく何も知らない素人の状態で僕は就農センターを訪問したわけですが、
「就農センターは、何も知らないド素人が予習もしないで相談に来るところ」だと思っていたら、実際はそうではなかった。
就農センターから見たら、予習もしないで相談にくる”若造”は、
「農業を甘く見ている」
ということになるわけです。

(まあじっさい、農業を甘く見ている”若造”はけっこう大勢いまして、僕みたいな「バウムクーヘン野郎」もきっとそうなんだろうな…)

「ちゃんと予習してから来い。農業をなめんな」
たしかに、そりゃそうです。
でも、ぢゃあ予習ってどうやったらいいのか?
農業したいね?と漠然と思っているおそらく数千万人という人は、予習のしかたが分からないから次に進んでいないんだと思います。
だからここに「穴」をあける必要があります。

あけるべき穴はほかにもたくさんあるはず。
ひとつひとつ検証し、打ち破っていかなければならないと思っています。

今回はここまで。
ダムを決壊させるもうひとつの方法については、次回(その4)で。
ひきつづき、「ダム決壊作戦」です。


追伸。
写真はファーマーズ・マーケットの様子です。
僕がこういう趣味の持ち主だということではありませんので、念のため。

 

 

 

 

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2007.04.29 00:41

食の世界のスーパーパワー その2

 
松宮園生です。

検索エンジンで新興宗教のことを調べてみたこと、あります?
たとえば具体的な宗教団体の名前を入れて検索してみるのです。
去年、面白半分にやってみたのですが、びっくりしました。

戦争が起きていたのです。
耳にした事のある新興宗教の名前を入れて、検索してみますと…。
何万、何十万というサイトにヒットします。

そのサイトの3分の1は、
「この宗教はまともな正しい宗教だ。誹謗中傷するやつらは許せん」
という主張のサイト。

つぎの3分の1は
「あの宗教を叩き潰せ」
という主張のサイト(たいていは対立する宗教団体の書き込みのようです)。

最後の3分の1は、
「息子を返せ」
という被害者の会、または被害者の会を装ったなにものかのサイトでした。

この3者が、激しい舌戦を繰り広げていたのです。
しかも、かなり激しく強烈な言葉を武器にして。

僕はしばらく傍観者としていろんなサイトを読んでいたのですが、そのうち怖くなってこの「火遊び」をやめました。

◆◆◆

さて、アメリカにモンサントという会社があります。
農業をされている方はご存知でしょう。
この会社も陰謀論がとびかう会社です。

モンサントの名前で英語検索すると、何百万件というサイトにヒットします。
そこにも戦争がありました。

モンサントの味方をしているサイトはほんのわずかです。
ほとんどが、モンサントを攻撃しているサイトでした。

モンサントは超巨大企業です。
その巨大さを背景に、これまで社会となんども衝突してきたのです。
小さなサイトが泣こうがわめこうが、びくともしません。

しかし、小さいサイトの側も、数が膨大になると話は違います。
つまり、
「巨大企業 VS 無数の小さなサイト」
という図式の戦争が、そこで展開されていたのです。

イメージとしては、
「巨大戦艦大和 VS 米軍の小さな戦闘機の大群」
「ハチミツを狙うヒグマ VS 巣を守るミツバチ」
こんな感じです。

前者は、「小さいけど大群」のほうに軍配があがりました。
後者は、たいていヒグマが勝つそうです。

モンサントは、乱暴ですがひとことでいうと、
「遺伝子くみかえ特許を武器に、世界の農業に影響を及ぼそうとしている会社」
です。
少なくとも、世間からはそう見なされています。

具体的には、たとえば、
○ほとんどの植物を根絶やしにする強力な除草剤
○その除草剤に負けない作物品種(遺伝子くみかえにより開発)
をセットで世界中に販売したりしています。

また、あちこちで訴訟を起こしたり起こされたりしています。

たとえばモンサント社が遺伝子特許をもつ作物がどこかで栽培されており、その花粉が風にのってあなたの畑にやってきたとしましょう。
その遺伝子組み換え作物の花粉が、知らないうちにあなたの畑の作物と自然交配したとします。
翌年、あなたのところにモンサント社から手紙が送られてきます。
手紙にはこう書いてあります。
「アナタノ畑は、ワガ社ノ遺伝子特許ヲ侵害シテイルナリ。タダチニ栽培ヲヤメ、特許侵害ノ賠償金ヲ払ウナリ。拒否スレバ、訴訟スルナリ。ニンニン」

モンサントは遺伝子特許にはものすごく神経を尖らせており、どこかの畑が遺伝子特許を侵害していないかどうか、それを調査するための専門家を抱えています。
「モンサント・ポリス」と呼ばれているそうです。

誤解しないでください。モンサントはS的に農業者いじめをしているわけではありません。
無実の農業者が訴えられるという不幸な例も多くあるのですが、一方で、モンサントが特許侵害の被害者になるケースも確かにあるそうです。

われわれ日本人は特許のような知的財産の権利についてはあまり敏感ではありませんが、契約社会のアメリカでは死活問題になります。

遺伝子くみかえの是非をここで論じるのはやめておきます。際限がないので。

モンサントがこういう「戦争」状態になっているのは、遺伝子くみかえが良いとか悪いとかいうよりも、モンサント社の
「いつでもかかってきやがれ。ボコボコにしてやるからな」
という態度が反感を呼んでいるような気がします。

仲良くやろうよ。
これって、日本人的な発想かなぁ?

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2007.04.28 01:19

農業コンチネンタル その1 入門編

 
松宮園生です。

アメリカにはブッシュ大統領がいてCIAなんかがあって、ビル・ゲイツや
ブラッド・ピットがいて、まあいろんな意味でにぎやかな大国ですけど、
食とか農業とかに興味がある人にとってもなかなか面白いところです。

今回は「食と農業」という視点で、
「アメリカ旅行の楽しみ方」
をちょっとご紹介。

ニューヨークまたはロサンゼルスの空港に到着したら、まずは本屋さんを探してください。
「ザガット・サーベイ」という縦長の本が置いてあるところを見つけましょう。
「ザガット・サーベイ」は、グルメガイドブックの一種です。
ただし、これを買うのではありません。

ニューヨークとロサンゼルスでは、グルメガイドの姉妹編として
「ザガットサーベイ マーケット特集」
というのが売られています。
こっちを買うのです。

「ザガットサーベイ マーケット特集」には、
オシャレなスーパーマーケットはどこにあるか
カッコイイ自然食品店はどこにあるか
ファーマーズ・マーケットはどこで開かれているか
が細かく書かれています。
「食と農業」好きな旅行者にとって、ちょうどよいガイドブックになっているのです。

というわけで、「ザガットサーベイ マーケット特集」を手に入れたら、
さっそくファーマーズ・マーケットに出かけてみましょう。

ファーマーズ・マーケットといういのは、日本語でいうと「産地直売所」です。
ファーマーは「農家」の意味です。
マーケットは「市場」の意味です。

アメリカの「ファーマーズ・マーケット」は、都会のまんなかで開かれています。
たとえば混雑するニューヨークのマンハッタン。
ロサンゼルスの、セレブリティが行きかうハリウッド。
こういうところに、大きな産地直売所が出現しています。
農家さんが自分で直売所に立ち、自分の作った農産物を売るのです。

都会のまんなかに、こつ然と農業が姿をあらわすわけです。
このミスマッチが、都会の人の心をひきつけるのでしょう。

ファーマーズ・マーケットは、いつも同じ場所で開かれているのもあれば、曜日によって場所を転々としているものもあります。
何曜日にどこに行けばいいのか、という情報も
「ザガットサーベイ マーケット特集」
に載っています。

ファーマーズ・マーケットでは、おおぜいの農家さんが、それぞれ自前のテントを張って農作物を販売しています。
ゆっくり回って、面白そうな野菜、珍しい果物などを探してみましょう。

もし話しかける勇気が出るようだったら、
「畑につれてってくれ」
と交渉してみてください。
ひょっとしたら、そのまま連れて行ってもらえるかもしれません。


今回はここまで。
次回(その2 怒涛編)では、アメリカの農業について書く予定です。


(追伸)
余談ですが、アメリカにはCIAと呼ばれるものが2つあります。
ひとつは、あのスパイのCIAです。
もうひとつは、ニューヨークにある有名な料理学校の名前です。なかなか厳しい料理学校だそうです。
「CIA出身の料理人」に出会っても、スパイではありませんので、引かないように。

 

 

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2007.04.27 18:30

ヘミングウェイ農業 その3

 
松宮園生です。

キューバは有機農業で有名な国だと書きましたが、現地で
聞いたところでは、はじめは有機農業をするつもりが
なかったそうです。
化学肥料や農薬をふつうに使い、ふつうのスタイルの農業をするつもりだったようです。
それがなぜ「有機農業先進国」になったかというと…

キューバはソビエト連邦と仲よくしてました。
ソビエト連邦が元気だったころは、ソビエトからお金も物資も送られてきて、キューバの生活もまあまあ豊かだったらしい。
でもソビエト連邦は崩壊しましたよね。ベルリンの壁も壊れたし。
それ以降、お金や物資を送ってくることがなくなり、キューバは経済的に困窮しました。
化学肥料や農薬を買うお金が、なくなったのです。

そのために、キューバは国を挙げて有機農業に真剣に取りくむようになったそうです。

◆◆◆

前回までのあらすじ)
なんの前触れもなく突然マンゴーの輸出を禁止したキューバは、ものすごくよく分からない国だった。
「誰に聞いたら何が分かるのか、が分からない」
そんな国に迷い込んだオニイサンと僕。
大使の紹介で「軍隊のエライ人」に会うことになるのだが、果たして…?

では、続きをお読みください。

◆◆◆

「軍隊のエライ人」はホセ・なんとかという名前でした。
発音できない名前は、覚えないことにしています。
体の大きい人でした。軍服を着ています。

一般人の農業は政府が管轄しているそうですが、
軍人の家族の農業はこのホセ・なんとか氏が仕切っているそうです。

オニイサンと僕は、
「ただっ広いのに応接セットがひとつしかなく、ほかに誰もいない部屋」
に案内され、そこでホセ・なんとか氏と面談しました。

通訳がわれわれの用件を伝えると、ホセ・なんとか氏は言いました。
「そうか、わかった。マンゴーは輸出禁止になっているのか。それはイカンな」
「分かってくれましたか」とオニイサンが言いました。「じゃあさっそく、輸出禁止を撤回してください」
「よし分かった。では今から、誰がそんな禁止令を出したのか、調べてみよう」

(えっ。アンタ知らないの?)
そういいかけた言葉を、僕は飲みこみました。
その横で、オニイサンが果敢に言いました。
「たぶんお国の農業大臣とか、農業長官とかが出したんじゃないですか?」
「かもしれんな」ホセ・なんとか氏はいいました。「誰が大臣をしているのか調べてみよう」

ここ、ずっこける(←死語)ところです。

調べとくから、明日また来なさい。
ホセ・なんとか氏にそう言われ、オニイサンと僕(とメキシコで雇った通訳)は
「ただっ広いのに応接セットがひとつしかなく、ほかに誰もいない部屋」
をスゴスゴと退出したのでした。

建物を出ると、そこに別の軍人が立っていました。
通訳によると、
「せっかく日本から来た客人だから、農場でも案内してあげなさい」
とホセ・なんとか氏に言われ、迎えにきたのだそうです。

というわけでわれわれは、首都ハバナから車で2時間のところにある軍隊農場まで、連行されたのでした。

太陽がカンカンに照っています。
連行された農場は、遠くからみると何もないただの白っぽい荒地に見えるのですが、近づいてみるとたしかに農場でした。
ただし、人の姿はありませんでした。
盛り上がった畝が、何本も何本も、遠くまで延びています。
そこに、赤く実ったマンゴーが転がって並んでいました。

問題はここです。
皆さんのなかに、あれっ? と思った方がおられるかもしれません(全員かも)。
そうです。マンゴーって、木になるんですよね。
スイカみたいに地面に転がっているわけではありません。

僕の頭には不思議な記憶があって、そこではマンゴーは地面に転がっていたのです。順序よく整然と。
でもありえないですよね。
記憶違いだと思います。なのになぜか僕の頭には…。

じつは農場での記憶はここで途切れています。
はっと気がつくと、オニイサンと僕(と通訳)はそれぞれビニール袋いっぱいのマンゴーを抱え、軍人の運転するワゴン車に揺られていました。
太陽が傾きかけています。
オニイサンはニコニコしています。
そのまま何事もなかったように、ワゴン車はわれわれが泊まるホテルに帰ってきました。

「バカかおまえは。おまえもマンゴーを木からもぎとってたじゃねえか」
これが、地面に転がるマンゴーの話をしたときの、オニイサンの反応でした。
どうやら、へんな記憶を植えつけられているのは僕だけのようです。

(キューバ軍が、ややこしい日本人をうまくかわすために、記憶を誤魔化すような神経ガスでも使ったのか)
と、ちょっと思ったのですが、オニイサンの様子をみるかぎり、そんなことではなさそうです。
それに、たとえそういう神経ガスを使ったとしても、僕の記憶を誤魔化してマンゴーを地面に転がしたところで、いったい何になるでしょう?

その日はそういうことで暮れました。

ちなみに、あらかじめお断りしますが、「地面になるマンゴーの記憶」の件はオチがありません。
いまでもアレはなんだったのか、謎のままです。

その日の夜、オニイサンと僕(と通訳)はマンゴーを食べるのに大騒ぎしました。
ホテルでナイフとスプーンを借りようとしたのですが、
例によって
「誰に聞いたら何が分かるのか、が分からない現象」
がここでも起きたのです。
フロントに聞いても、どこにナイフがあるのか分からない。
どこにスプーンがあるのか分からない。
隣接するレストランは閉店準備をしていましたが、
店員に「ナイフとスプーンを貸してくれ」と聞いたところ、
「申し訳ないがよく分からない」
という、よく分からない返答しかかえってこない。

というわけで、その夜は結局、ナイフもスプーンも入手できず。
アーミーナイフみたいなものを誰も持っていなかったので、自分たちでなんとかすることもできず。
疲れ果ててマンゴーを食べるのをあきらめたのでした。

翌朝。

朝日のまぶしさに目をしばたたせながら、オニイサンと僕(と通訳)は再び、「軍隊のエライ人」ホセ・なんとか氏を訪問しました。
昨日とは別の、会議室らしい部屋に案内されました。
そこには数名の男女がおり、どうやらホセ・なんとか氏の部下のようでした。

挨拶もそこそこに、ホセ・なんとか氏は部下にむかって話し始めました。
通訳の話では、
「マンゴーを輸出禁止にした張本人を知らないか?」
「いえ、知りません」
という会話が交わされていたようです。

ひとしきり議論があり、ホセ・なんとか氏はたちあがってわれわれに握手を求めました。
部下の人たちも、順番にわれわれと握手をし、去っていきました。
最後に、オニイサンと僕(と通訳)だけが会議室に残りました。
どうやら面会は終わったようでした。

「今のは何だったの?」オニイサンが呆然とつぶやきます。
「ようするに」通訳が答えました。「調べてみたがよく分からない。幸運を祈る、ということのようで…」


(次回 その4に続く)

 

 

 

 

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2007.04.26 11:12

イケてる就農センター その2

 

松宮園生です。

前回(その1)で、就農センターをちょっとからかったような文章を書きましたが、その続きを書きます。

日本の農業人口(=農業をする人の数)はすごく減ってます。
手元に数字がないのですけど、たしか200万人くらいしかいないはずです。

1億2000万人の食を支える人口が、200万人しかいないのです。
それもどんどん減ってます。

その200万人の平均年齢は65歳です。
5年後には、70歳になります。

僕は農業は日本の宝だと思ってます。
新規に就農した若い人は、ダイヤモンドです。
ダイヤモンドに輝いてもらうためにも、農業人口がどんどん減っていくこんな状況を、黙ってみていることはできません。

でも僕1人が農業を始めたところで、この状況は解決しないです。

農林水産省も危機感を強く感じています。
農業を始める人を増やすために、あのテこのテの政策を打ち出しています。

一方で不思議なことが起きています。

ある調査によると、
「都市部に住む20代の男性の8割は、将来農業をしたいと思っている」
「サラリーマンをリタイアする予定の男性の7割は、リタイア後に農業をしたいと思っている」
だそうです。
(どのくらい本気でそう思っているか、という問題もありますが)

1年ほど前に、東京で、20代男性向けのビジネススクールでちょっとした講演をする機会がありました。
(僕は有名人ではありませんので、講演する機会は珍しいですけど)
生徒さんは50人いました。50人ちょうどです。
講演の最初に、こう言ってみました。
「将来、農業したいと思ってる人、手をあげて?」
するとビックリ。
50人中、48人が手をあげたのです。

単純に考えると、不思議ではありませんか?

かたや、農業人口を増やすために、国もあのテこのテを考えています。
かたや、農業をしたい人はけっこうたくさんいます。

にも関わらず、実際に農業をする人は増えていないのです。

農業をしたい人が農業できないような、見えない巨大な壁が立っているのでしょう。

僕にはそれがダムのように見えます。
なんとかしてこのダムを決壊させたい。そう思っています。

見えないダムの壁をどうやって決壊させるか。

今回はここまで。
次回(その3)のテーマは、「ダム決壊作戦」です。

 

 

 

 

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2007.04.25 01:02

ヘミングウェイ農業 その2

 
松宮園生です。

前回のあらすじ)
なんの前触れもなく突然マンゴーの輸出を禁止したキューバ。
その原因をさぐるために、果物会社のオニイサンと僕はカリブ海へと旅立った。
しかしオニイサンの動機はいまひとつ不純であった…。

◆◆◆

日本からキューバに行くルートは主に2つあります。
ひとつはカナダ経由。
もう1つはメキシコ経由。
アメリカ合衆国はキューバと仲が悪いため、飛行機は飛んでいないのです。

オニイサンと僕はまずメキシコに行き、そこでスペイン語の通訳を雇い、絶妙な味のマルガリータをがぶ飲みしました。
二日酔いで常夏のハバナ(キューバの首都)に入ったのは、その翌日です。

ところで、日本を出るまえにキューバの旅行ガイドを買ったのですが、そこには気になることが書いてありました…。

『この国(キューバ)では、誰に何を聞いたら、何が分かるのか、ということが分からない。観光客は必ず道に迷う。
なぜかというと、人々が自分の国について何も知らないからだ。
たとえば、道行く人を呼びとめ、
「×××を探しているんですが、どこにありますか?」
と聞いたとしよう。
まず間違いなく、誰も答えることができない。
答えたくないとか、答えることを禁じられているのではなく、本当に知らないのだ。

「誰に聞いたら分かりますか?」
この質問すら、答えられない。
ふつうだったら、「あそこに観光案内所があるから、そこで聞きなよ」くらいの答が返ってきそうなものだが、それもない。
観光案内所がどこにあるのか、誰も知らないのだ。

知らないだけならまだいい。
質問された通行人は、その場を乗り切るために、
「ああ、それならあっちにあるよ」
と適当にデタラメを言って、去ってゆくことが多い。
しかも、そのデタラメには悪気がないのだ』

…こんなことが書いてあるのです。
日本でいうと、奈良に到着したガイジン観光客から
「大仏はどこにありますか?」
と聞かれて、地元の人が誰も答えられないようなものです。
またはデタラメに、「それって京都にあるよ」と答えるようなものです。

一抹の不安を抱えたままキューバの首都ハバナに入ったわけですが、通訳がキューバ慣れしていたおかげで、観光地めぐりで道に迷うことはありませんでした。
ちなみに、通訳は日系の人で、磯野波平に少し似ていました。

照りつける太陽のもとで観光したのはこんなところです。
「キューバ危機のときに、核ミサイルを搭載する予定だった発射台」(地下にロシアの秘密基地があるとかないとか)
「アメリカ軍が攻めてきたときに迎え撃つ砲台」
「ヘミングウェイが通ったバー」

このブログは旅行記を書くブログではないので、観光の話はここまでにします。

問題はマンゴーです。

オニイサンと僕はまず、日本の大使館に行きました。
実際には、道行く女性ばかりながめているオニイサンを引きずるようにして、大使館に入ったわけです。

動機の不純なオニイサンでしたが、日本でうまく根回しをしたのでしょう、なんと大使と面会の約束をとりつけていました。
オニイサンと僕は、緊張しながら、あらためて大使にマンゴーの話をし、マンゴーを輸出禁止にした張本人は誰なのか、その人に会いたいと告げました。

すると大使は言いました。
「じつはその、わたしにもよく分からんのです。キューバというのは難しい国で、どの大臣がどんな業務を担当しているのかがよく分かりません。誰に何を聞いたら、何が分かるのか、ということが分からないのです」
「分からないのですか?」
「分からないのです。ほんとにこの国は妙な国です。わたしはここに赴任して2年になりますが、まだカストロに会ったことがありません。ほかの国ではありえないことです」

出発前に抱いた「一抹の不安」は、こんなところで的中しました。
誰に何を聞いたら、何が分かるのか、ということが分からない…。

「とりあえずわたしにできることは」と、大使はいいました。「軍の幹部を紹介することです。たまたま知っていますのでね。キューバの兵士は農家の出身がほとんどです。兵士たちの農地を管轄しているのが、この男です。この男ならなにか知っているかもしれません。いまからこの住所に行ってください。アポイントメント(面会の約束)は取ってあります」

大使に渡された住所をたよりに、オニイサンと僕はその軍隊のエライ人のところへと向かったのでした。

(次回 その3 に続く)

 

 

 

 

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2007.04.24 21:32

食育は英語で何というの? その7

松宮園生です。

前回までの復習)
健康な人はますます健康な食生活をし、
不健康な人はますます不健康な食生活に走る
そのギャップが大きくなった。
これを「フード・ディバイド」といいます。
フード・ディバイドのせいで、アメリカ人のメタボはあまり減りませんでした。

◆◆◆

フード・ディバイド関連でもう少し。

先月(2月)なかばのこと。
UNICEF(ユニセフ:国際連合児童基金)が、ある報告書を発表して話題になりました。
OECD(経済協力開発機構)に加盟している21ヶ国を対象に、
「その国の環境が、子供が育つのにどのくらい適しているか」
を調べた報告書です。

OECD は、アメリカ・ヨーロッパ・オセアニアの先進国の集まりです。
べつの言い方をすると、
「横文字を使う先進国の集まり」
です。
こう書くと、ヤマトダンジとしてはなんとなくムカつきますね。
タテ文字の日本は OECD に加盟していないので、調査対象にはなっていません。

ユニセフのこの報告書は「イノセンティ・レポート」と呼ばれています。
どんな調査をしたかというと、
1.物質的な豊かさ
2.健康と安全
3.教育の質
4.家族のきずな
5.生活習慣
6.本人(子供たちのことです)の幸福感
以上6つの項目それぞれで、OECD加盟21ヶ国を比較しました。

その結果。
金メダル:オランダ
銀メダル:スウェーデン
銅メダル:デンマーク
…(中略)…
最下位から2番目:アメリカ
最下位:イギリス

こういう結果になりました。

ダメ出しされたアメリカとイギリスはだいぶプライドが傷ついたらしく、マスコミもちょっと騒然となりました。
まあでも、うなずける結果ではあります。

◆◆◆

イギリスのことはよく分かりませんが、アメリカでは子供の肥満も深刻です。
フード・ディバイドのせいもあり、生活習慣はちっとも改善していません。

「ガストリック・バイパス手術」という肥満治療が、大人のあいだで流行っています。
胃を小さくする手術です。
胃を小さくする→早々と満腹感が味わえるようにする→食べる量が減る→痩せる
カンタンにいえばこういう理屈です。

4日?6日間の入院、1ヶ月程度の自宅療養、費用は2万ドル前後(250万円くらい)だそうです。

本来これは大人向けの手術でしたが、このところ子供が受けるようになっているそうです。
年間1000人くらい、受けているらしい。

そういうアメリカを横目でみていたヨーロッパ(EU)は、
「あんな国になっちゃいけねえ」(←江戸か)
ということで、ファーストフードの広告を禁止することを検討しています。

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2007.04.23 11:03

ターザン栄養学 その2

 

松宮園生です。

前回の復習)
ポルトベロー・マッシュルームのソテーを愛し、サプリメントを毎日山のように飲む内科医チイタッタ博士。
博士の日常を見ているうちに、僕は日本とアメリカの栄養学の違いを考えるようになりました。

◆◆◆

チイタッタ先生は、疾病予防と治療の両方を行っています。
患者さんのことを患者さんと言わず、クライアントと呼んでいます。
どんな予防や治療を行っているかというと、
「サプリメントを適切に飲むことによる疾病予防」
「サプリメントを大量投与する治療」
をしています。

Orthomolecular Medicine (オーソモレキュラー・メディスン)というそうです。
なんでも、ノーベル賞を2度受賞したライナス・ポーリング博士の理論からきているとのこと。
詳しいことは僕は専門家じゃないのでよく分からないんですけど。

アメリカには、チイタッタ先生みたいにサプリメントを主役に予防や治療を行う医師が、7万人くらいいるそうです。
この数字は数年前の数字なので、今は増えているのではないかと思います。

「サプリメントを適切に飲むことによる疾病予防」
と書きましたが、この「適切に」というのがアメリカ流で、チイタッタ先生の場合はそれが30粒もの数になるわけです。

毎食後に、30粒のサプリメントです。
30粒というとちょっとびっくりしますが、ひと粒あたりの大きさも、日本のものよりひと回り大きいです。
そんな大きさのものを30粒飲むわけです。

「喉につまったりしないんですか?」
「いや全然」と、チイタッタ先生はなにごともなく言います。
「サプリメントを喉につまらせて死んだ人とか、いないんですか?」
「聞いたことがないね。そんなことより、オマエも飲め。オマエの分も用意してある。オマエにはどんなサプリメントが必要かだいたい分かるから、処方箋も作っておいた。いっとくけど有料だぞ」
「ひぇー」 (←死語)

で、ターザン栄養学の話ですが…。

ターザンがサプリメントを飲んだらどうなるか。
ターザンは大自然のなかに住み、食べたときに食べ、眠りたいときに眠り、サラリーマンみたいなストレスもなく、ある意味とても健康な生活をしています。
そのターザンは、サプリメントを飲む必要があるのでしょうか?

日本人は、
「ターザンにサプリメントは不要だ。むしろ健康を損なうだろう」
と考えます。

チイタッタ先生をはじめとするアメリカ人は、
「ターザンがサプリメントを飲んだら、もっと健康になる」
と考えているようです。
つまり自然の状態に手を加える(ターザンがサプリメントを飲む)ことにより、人工的に「より高いレベルの健康」を得られると考えているのです。
この、「人工的に作り出すより高い状態」のことを、
Optimal Health (オプティマル・ヘルス)
といいます。

日本でもときどき「オプティマル・ヘルス」という言葉が使われたりしますが、日本で使われているときの意味はわりとアイマイです。
「なんとなく、個人個人に最適なすごくヘルシーな感じ」
みたいな意味合いだったりします。

しかしチイタッタ先生に言わせると、「オプティマル・ヘルス」には厳密な定義があり、要は
「自然に得られるいちばんヘルシーな状態を、人工的にさらにアップさせた極限値」
ということのようでした。

自然と共存してきた農耕民族の日本人と、自然を征服してきた狩猟民族のアングロサクソンとの違いが、こういうところにも出ているわけです。

どっちが正しいのかは分かりませんけど。

今回はここまで。
次回はアメリカのサプリメントの歴史について、ちょこっと書きます。


(追伸)
サプリメントを喉につまらせて命に関わった例って、ホントにないのでしょうか?
日米問わず、そういう例をご存知のかたがおられたら教えてください。
今のところ、誰に聞いても「ない」という答えなのですが、ホントかな…。

 

 

 

 

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2007.04.23 00:06

ヘミングウェイ農業 その1

松宮園生です。

いきなりですけど、農業の関連でキューバの話をします。
キューバはカリブ海に浮かぶ島国です。

(地図です。虫眼鏡で見てください)

 

 

作家のヘミングウェイが好んだ国としても有名で、あと、葉巻なんかも知られています。

「キューバ危機」というのがありました。
アメリカ合衆国とソビエト連邦が、もうちょっとで核戦争、というところまでモメたことがあります。
半世紀近く前の話です。

キューバで一番エライ人はカストロという人です。
こんな濃ゆい顔してます(左側の人)。

 

 

 

キューバは有機農業の国です。
サトウキビ、パイナップル、バナナ、マンゴーなどが作られています。

数年前、僕はこの国に農業探検に行きました。
何しに行ったかというと…

地中海ミバエ、という名前の昆虫がいます。
ハエの一種です。
日本にはいません(いないはずです)。

地中海ミバエはマンゴーに卵を産んだりします。
卵が日本に入ってくるのを恐れる日本の政府は、「地中海ミバエのいる国」からのマンゴーの輸入を禁止しています。

たとえばインドはマンゴー王国です。マンゴーのなかでも王様と言われるアルフォンソ・マンゴーが豊富にとれる国です。
しかし日本政府から「地中海ミバエのいる国」という扱いをされていたため、日本にインドのマンゴーが輸入されることは最近までありませんでした(去年、解禁されましたが)。

島国キューバには地中海ミバエがいません。
しかもキューバはカンペキな有機農業の国です。
それで、キューバのマンゴーは日本人に喜ばれました。
キューバ人はせっせと、マンゴーを日本に輸出していたのです。

ところがある日のこと、キューバのマンゴー輸出会社から日本の果物輸入会社にメールが来ました。
「日本の皆様ゴメンナサイ。政府の命令で、来年からマンゴーの輸出ができなくなりました」
と、そのメールには書いてありました。

さあ大変です。
マンゴーが輸出禁止!
キューバのマンゴーは日本で人気があったので、突然の禁止で果物業界は大騒ぎになりました。

しかし一方で、果物業界の人々は首をかしげました。
今回の禁止令は、
「輸入する側の日本」が出したものではなく、
「輸出する側のキューバ」が出したものでした。
キューバはマンゴーを輸出して外貨を稼いでいます。
つまり、キューバは基本的にはマンゴーを輸出したいはずです。
なぜ、「外貨を稼ぎたい」キューバが、自国のマンゴーの輸出禁止令を出すのでしょうか?

誰にも分かりませんでした。

不思議なことに、メールを送ってきたキューバの会社も、その質問に答えることができませんでした。
「政府の命令だから」
この一点張りでした。

果物業界の人々は、今度はキューバ大使館に出かけて同じ質問をしました。
大使館も応えられませんでした。
「本国の命令だから」
この一点張りでした。

このころ僕は貿易会社の下請けのようなことをしていましたが、仕事がなくてヒマで今より貧乏をしていました。
そんなある日、果物会社のオニイサンが僕の事務所にずかずかとやってきて、こう言いました。
「あんた、おれと一緒にキューバに行ってくれないか。キューバの政府と話して、マンゴーの輸出禁止令を解除してもらおうと思う」
「へ? キューバ? 行ったことないスけど…」
「いいんだよ。オレも行ったことないんだから。まあとにかく行こう。きっと美人がうじゃうじゃいるぞ」

というわけで、僕は動機不純なこのオニイサンのおともでキューバ農業探検に行くことになったのです。

(次回 その2 に続く)

 

 

 

 

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2007.04.21 01:03

食の世界のスーパーパワー その1

 
松宮園生です。

「陰謀オタク」
だった時期があります。
世界のいろんな「陰謀」について調べるわけです。

たとえばユダヤ人陰謀説。
ユダヤ人はナチスのホロコーストに代表されるように、歴史上たいへんな苦難を味わってきた民族です。
かたや、欧米では
「ユダヤ人は世界を舞台にさまざまな陰謀をめぐらしている」
という噂がしょっちゅう生まれたり消えたりしています。
ユダヤ人はビジネスの才能が豊かな民族としても知られており、大富豪を多く輩出しているため、ほかの民族から警戒されていたというのも確かなようです。

まあこのことの真偽や是非は別として、僕はいっとき「ユダヤ人陰謀説」に関する本を読み漁っていたことがありました。

さて、陰謀について調べていると、世界には
「有名ではないが、ひょっとしたら影の支配者?」
と思わせるような地位にある企業がいろいろある、ということが分かります。

たとえば、
世界のダイヤモンドの半分を牛耳っているヨーロッパの大企業。
世界の鉄鉱石の何割かを占めている南米の大企業。
かつて、世界の石油は7つの大企業が独占していた。

食の世界にも、そのような「支配者大企業」が存在します。
日本には「支配者大企業」はいません。
しかしアメリカには存在します。

その代表例が、世界最大の穀物商社のカーギルです。
麦などの世界の穀物を、牛耳っていると言われています。

カーギルは、世界最大の非上場企業で、年間売上高数兆円、従業員15万人という超大企業です。
世界の小麦の生産状況を把握するため、自前で人工衛星を持っている企業です。

本社はミネアポリスというところにありますが、秘密主義の会社で、本社の建物の中がどうなっているのか、ほとんど知られていないということでも有名です。

(本社がどこにあるのかそもそも分からないことで有名な企業だ、という説もありましたが、それはガセネタでした。さすがにそこまでミステリアスではないようです)

太平洋戦争で日本が敗れ、マッカーサー元帥率いる GHQ が日本に進駐してきたころ、カーギルはアメリカ政府に働きかけ、
「日本人 パン食・肉食化計画」
という陰謀をしかけた、という説があります。

日本人に、もっとパンを食べさせろ。
日本人に、もっと肉を食べさせろ。
日本人に、もっと牛乳を飲ませろ。
という陰謀だそうです。

日本人が米食からパン食に変わる。

穀物が売れる。

日本人が魚食から肉食に変わり、牛乳を飲むようになる。

牛が飼育される。

飼料として穀物が売れる。

という企みだったようです。

昔の学校給食でパン食と肉食(たんぱく源)がメインだったというのも、「カーギルの陰謀」だったのでしょうか…?

まああくまでウワサです。真偽のほどは不明。

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2007.04.20 14:53

「正しい」ってなに?


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆

シニア・野菜ソムリエの遠山由美です。

最近も食育関連の行事によく参加しておりますが
暗?い気分で帰ってこなければならないことも少なくありません。

「どうして暗い気分になるのか」考えてみました。

暗くなるときに参加している会は、きまってこう始まっています。

「今、子供たちがあぶない!」
「今どきの子供はこんなに変!」
「今どきの親はなってない!」

今の子供たちが心配で暗い気持ちになるのでしょうか???
いえ、違います…
どうやら…
嬉々として子供批判を繰り広げる人達に違和感を感じているのがその原因みたい…

先日、そんな
「今の子供たちを救え!食育」
を繰り広げる人達のテンションが、さらに高まりそうな報道がありました。

財団法人「日本青少年研究所」の発表した「小学生の生活習慣に関する調査」を
もとにした報道です。

近年、日本の小学生の学力低下が叫ばれて久しいけれど
同時に調査した中国や韓国の小学生の生活習慣や考え方に比べ
全体的に消極的で意欲に乏しい、というのです。

確かにこの調査を見ると
素晴らしい!とはいい難い実態です。
私だって…朝起きたら、顔ぐらい洗えば??!とは思いますし
細かい心配りをして作った食事を
テレビ見ながら上の空で食べられたら悲しいです…

でもこういうのを根拠に騒ぎ立てる一部の人達にはもっと強い違和感を覚えます…

たとえば
給食費を払わないふとどきな親!も大騒ぎにはなりましたが
実際にそういう行為をしている人は1%です。
私が子供の頃にも、1%くらいは
「子供もビックリ!」
な親っていました。

私が生まれたのは
日本がもっとも経済成長をしていたころ。
環境問題なんて言葉もなく
ようやく教科書に
四大工業地帯と公害問題が載り始めたころでした。
また教育課程も一番盛りだくさんな時期で
家庭内暴力だの校内暴力だの
といった問題がでてきたのも私達の世代でした。

偏差値による輪切り教育、管理教育といわれ
子供の個性が無視された時代です。
校則が厳しくて
私のように「ナニジン?」なんてきかれることがあるくらい
全体に色素が薄めで、髪もかなり茶色い人間は
「染めていない」という証明書の提出を求められたほどです。
中には黒く染めることを強要するような学校までありました。
(染めるような生活態度が問題なんじゃないんかい!!)

実は私…ひじの関節のつき方がおかしくて
普通に鉛筆をもったのでは
芯が紙につきません…

いえ、正確にいえば
こんな風に理解できるようになったのはずっと後のこと。

小さな私に認識できていたのは
「正しい鉛筆の持ち方」をすると
字が書けない…ということだけでした。
同時に、どのように鉛筆をもてば字が書けるかも知っていました。
が…そんな持ち方、「正しい学校生活」のなかで許されるわけはありません。
「字が書ける鉛筆の持ち方」をすると
腕に先生の竹の30センチものさしが飛んできました。

で、どうしたか。
先生が黒板の方を向いているときにすばやく文字を書き
先生がこちらを向いている間は考えているフリをする
というワザを編み出しました。
その結果、無事平和に過ごせたかというと…そうでもなく
「なぜこんなに字が汚いのか。もっと丁寧に書きなさい」
としかられましたし
家で落ち着いて書いた字が並ぶ宿題は
「本当に自分でやったの?」といわれる始末。

曲がった腕のお陰で
足を使う体育はそこそこできても
ボールを投げたり、跳び箱を飛んだり
腕を使う体育の時間は「ふざけているのか!」
とよく叱られました。

まあ、学校なんてそんなとこ、と思っていましたが
「正しい」といわれることにすぐ疑問を感じるような
性格になったのは
こんな経験の影響があるのかもしれません。

今でも主役より脇役
人気者より変わり者に心引かれます…
(らしいです。本人はいたって普通のつもり。)

なぜ、そうなのか…
本当にそれ以外は許されないことなのか…

熟考したり、事情を考慮したりせず
何らかの基準を厳密にあてはめ
「良い、悪い」と決め付ける教育が
復活するのではないか
とひそかに恐れる私なのです。

誤解しないでくださいね…
実際に文部科学省管轄の場所で行われている食育(幼稚園とか小学校とか)
を心配しているのではありません。
頑張っている給食の現場も
苦労して食育を推進している校長先生も
存じ上げています。

そうじゃなくて…
直接学校には関ってはいないのに
子供たちをみてもいないのに
(だから本当の実態をどこまで知っているか疑問なんです。
 センセーショナルなマスコミ報道だけが根拠みたいな感じを受けます)
文部科学省的な食育を行おうとしている人達に
疑問を感じているのです。

いまどきの子供って…
問題がないとはいわないけれど
トータルではそんなに悪くない、って思っています。
時代に合わせて生き延びようとしているだけじゃないかしら。
私の鉛筆体験と一緒…
子供たちをどうにかしたいなら
子供にはたらきかける前に
環境を変える方が先じゃないかしら。
子供たちは生き延びるために、環境についてきますから…

いまどきの子供って…
自分の子供時代とは違って当たり前でしょ。
それが退化だったのか進化だったのかは
同時代を生きる私達には判別がつかないはず
ずっと後になって評価がきまるのではないでしょうか。

自分の子供時代と違うから駄目なんて…
自分と異質だから駄目なんて…
ちょっとこわい。

もちろん
健康問題等実際にトラブルとなっている部分については
改めなくてはいけないと思いますが。

また「正しいこと」「基準」「平均」を決めること自体も否定しません。
多くの人が「よい」と感じるものには
なんらかの合理性があると思うからです。

例えば「お箸の持ち方」。
正しくもった方が使いやすいし
何より綺麗。

小笠原流礼法など学んでみると
その美しさと合理性、物を大切にする心が見事に調和していて
心から素晴らしい、と感嘆します。
(お作法は学んでおくと、自分の所作に自信を持つことができますからおすすめです)

要は中心から外れるものを
どう評価するかの問題ですね。

平均的な感覚と
自分の感覚との距離を知ること。
これは仕事をするときとても大事になります。

余りに独善的では仕事になりません。

自分自身の価値観を守りながら
仕事でも成功するには
この差異と距離感を知らなければなりません。

先日お話しさせていただいた国産ワインメーカの社長さんとも
「自分の感覚と価値観を大事にしながらも
平均的な感覚や価値観とのズレや距離感を自覚することがとても大事」
なんていうお話しをしてまいりました。
その話はまた今度…

鉛筆の正しい持ち方はこちら
トンボ鉛筆さんのサイトです。
「正しい」ということの定義まで載っていました。
観念的な「正しい」ではないので、とても納得感があります。

お箸とハサミの「正しい」使い方も学べますよ。

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2007.04.18 23:09

謎のトラクター 後編

 
松宮園生です。

前回のあらすじ)
アメリカ西海岸の不思議な農場に迷い込んだ松宮園生。
麦わら帽子をかぶったイタリア系のニイチャン。
そのニイチャンの指差す先には「懐かしい匂い」を発するトラクターが…。
いったい何の匂いだったのでしょうか?

◆◆◆

ニイチャンがいいました。
「アンタ日本人デスカ? ダッタラコノ匂イ、分カルネ」

よーく、分かりました。
それは、テンプラ油の匂いでした。

デンプラ油で走るトラクターだったのです。

もとは普通のトラクターだったのを、ニイチャンがテンプラ油仕様に改造してしまったとのこと。

近所に日本食店がたくさんあるそうです。
使用済みのテンプラ油をタダでもらって、トラクターを走らせているそうで、
お金は浮くし、使用済みテンプラ油の有効利用ができて環境にもよいし、
と、自慢するニイチャンでした。

農園ツアーは30分くらいで終わりました。
ニイチャンはというと、次のツアー客が順番を待っていたらしく、お別れの挨拶もそこそこにさっさとそっちに行ってしまいました。
どうやら農作業そっちのけで、ツアーガイドをしているようです。
大丈夫かな。

ところで、この農場は「CSA」と呼ばれる種類の農園でした。
CSA とは、
Community-Supported Agriculture
(コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャー)
の略で、日本語に訳すと
「コミュニティに支持されている農業」
といった感じです。そのままやんけ。

地域(コミュニティ)のまんなかに農園があり、たいてい有機農業をしています。
コミュニティの人々はその農園に「会費」を払い、それが農園の収入になります。
「会費」を払った人々は、農園から作物を平等にもらいます。
これが CSA です。
農園にとっては、地域の人たちから安定して「会費」がもらえるところがありがたい。
地域の人々にとっては、地元の農園の作物を食べられるのが楽しみ。

その年、その年で天候なども違うので、作物のできばえ(量・質とも)は一定ではありませんが、そのリスクはコミュニティ全体で負っています。
おかげで農園は安心して農業に集中できます。

こういう CSA は、北米に 1,000箇所くらいあるそうです。

僕が迷い込んだ農園は100年前から有機農業をしていました。
100年前は付近はただっぴろい荒野で人口も少なかったそうですが、その後、急激に人口が増えました。
人口が増えてにぎやかになったのはよいのですが、ひとつ問題が起きました。
肥料のニオイです。

有機農業ですので、動物のウンチを肥料にするわけですが、このニオイが問題になったようです。
そのせいで、去っていく住民もいました。
住民が去っていくので、近隣の土地の値段も下がっていきました。

有機農業に理解のある住民は残りました。彼らは、この農園を応援するようになりました。CSA の始まりです。
すると、有機農業を応援したい人たちが近所に引越ししてくるようになりました。
「CSA は環境に優しい街づくりに貢献している」
ということで、農園のあるコミュニティのイメージが良くなり、さらに人口が増え、農園を訪れる観光客も増えました。
すると、土地の値段が上がりはじめました。

いまやアメリカでは、
「CSA がある街は土地の値段が上がる」
と言われるようになっていますとさ。

クサければクサいほどよい、という説もあるそうで…

 

 

 

 

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2007.04.17 06:01

給食


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆

シニア・野菜ソムリエの遠山由美です。

このところ給食関連の仕事が多くなっています。
そこでこの話題です。

「9年間 毎日食べた給食は 僕の第2の オフクロの味」
どうです?この句。
先日開かれた静岡県内のある市の「給食展」で出会った句です。
中学3年生の男の子が詠んだこの句は
重労働で苦労している多くの調理員さん達をウルウルさせたそうです。
現代っ子もなかなかイイではありませんか。

戦後すぐの「粉ミルクとコッペパン」の時代から
(私は経験していません!念のため)
いつの時代も給食は子供たちの生活の重要な一部分です。

今この給食の世界のキーワード、何だかご存知ですか?
「地産地消」です。

今日取り上げる地産地消は、最近の使われ方
すなわち「地元でとれたものは地元で消費しよう」という考え方の
地産地消と解釈してください。

この言葉は
「自分の住む地域の三里?四里四方のものを食べていれば病気にならない」
という健康法のひとつとして語られることもありますし
地元で獲れた野菜は、ジェット燃料を使って長距離を運ぶ場合に比べて
環境負荷が少ない(こういうのをフードマイレージを考える、といいます)といった
環境保全の立場から語られることもあります。
また地元の野菜を作り続けることを応援し
その地独特の野菜を守ることで
その野菜を使って作られる郷土料理の保全につながるといった
伝統文化の面から語られることもあります。

今日はこれらの価値に加えて
地産地消の経済的価値について考えてみたいと思います。

少し前、支払い能力があるにもかかわらず
給食費を支払わない親がいる!!と大騒ぎになりましたが
みなさんは「給食1食分」のお値段て、ご存知ですか?
地域によって若干の差はあるもののだいたい230円位です。
これは純粋に「食材のみの値段」。
法律で給食費として徴収されるのは「食材費のみ」と決まっていますから
この額が親の負額になるわけです。
調理員さんのお給料や施設費、機材費、その他は税金でまかなわれます。
これらを全部足し合わせると「給食1食分は900円」前後ということになります。
サラリーマンのお父さんのお昼代が600?700円と言われていますから
金額的には子供の方が贅沢なんですねぇ。

ここでちょっと
街中で「900円のランチ」を食べることを想像してみてください。
そしてお宅の冷蔵庫に貼ってある「給食献立表」と見比べてみてください。
(どうでもいいことですが、風水的には冷蔵庫の前面に物を貼るのは
 よくないのだそうですよ。側面ならOKとか。)
どちらの方が「豪勢」でしょうか。(豪勢って、死語…かしら?)

「給食って230円でこんな凄いのできるんだ」と思っていたあなた。
「給食って900円」という目で改めて見直してみてください。
「もうちょっと、いいもの出来そう…」と思いませんか?
給食の献立をつくる管理栄養士さんが悪い?
いえ、違います。

飲食店には、経営していく上でごく当たり前の考え方として
「食材原価率」というものがあります。
お料理の中で食材費が占める割合をいいます。
一般的には30%前後。
ファミリーレストランなど効率のいいところでは18%くらいで
40%をこえるようでは経営が成り立たないといわれています。

で、振り返って給食。
原価率を計算すると25.5%になります。
一般のお店のように
サービス用人員の人件費がかからないことを考えると
もっと食材の比率が高くてもいいはずですよね。

また別の見方をすれば
高級食材や幻の逸品が使われることもある一般のお店に比べて
給食で使われる食材はごく一般的なものですから
むしろ25.5%は高すぎる、ともいえるわけです。

ここには流通のカラクリがあります。
給食に食材を納品できるのはある特定の業者さんのみ。
「給食会」という組織を作っています。
この組織に属する業者さんが、公設市場から品物を買って学校に納入します。
公設市場から買うのですから、輸入品の可能性もあります。
が、「国産品は高くて使えから、輸入品でまかなっている」
と考えるには高額の食材費になっています。
いったい何の費用が上乗せされているのでしょうね。

一般の青果物でも同様のことがおきています。
皆さんが最終消費者として小売店さんに支払った金額。
そのうち、その作物を作った農家さんに支払われるのは
どれくらいだかご存知ですか?
わずか1/7に過ぎないのです。
(作物によってこの割合は変わりますので、平均するとこれくらい、と解釈してください)

流通業者さんが間に入ることには
たくさんのメリットがあるのも事実。
だから単純に中間マージンをなくせ!といっているわけではありません。
ただ、折角青果物のプロとして
流通に介入するのなら
「価値ある介入の仕方」をしていただきたいものだ、と思います。

例えば公設市場からばかり購入するのでなく
地元の農家さんのものを直接買い上げるとか。
そうすることで
その地域に住む住民が支払った給食費と税金が
地元の農家さんに落ちるわけです。
地元の活性化にもつながりますし
子供たちは「通学路の途中にある○○さんの畑のキャベツなんだ」
って知れば、食材への興味が湧きますよね。

自給自足ではないけれど
「家族」という単位を「地域」という単位に広げれば
「地域での自給自足」が完結することになります。

私は他国で獲れた食べ物は絶対に食べてはいけない
と考えるタイプの人間ではありません。
輸入品のバナナを食べることがあっても構わないし
土地柄に合わない作物は
他の地域から購入して構わないと思っています。
アボカドとかグレープフルーツとか大好きだし。
やっぱり食べたい。

ただ、お金にものをいわせて何でもかんでも外国で食べ物を安く買い叩く。
その結果、食べ物を生産した国の若い女性が
家族を養うために、女性として辛い労働を強いられる、なんて話をきくと
「自分達でまかなえるものは自分達でまかなえたらいいなぁ」
と思ってしまうのです。

中間マージンを減らして
浮いたお金を回していただきたいところがもう一箇所あります。
それは調理員さん達の人件費。
今でも時間に追われ大変な思いをなさっている調理員さん達。

地域でとれた野菜を使おうとすると
公設市場で扱っている野菜のように
規格の揃ったものだけ、というわけにはいかなくなります。

なぜか。
実は市場に出せるような規格品って
畑で取れる作物の5割程度しかありません。
規格が厳しいところは4割。
私が知っているある地域のある作物は
選別するのに人手をやめて機械にしたため選別が杓子定規になり
今や3割しか市場に出荷できなくなってしまいました
あとの7割をどうするか…
一部は産地直売所におろします。
また、一部はお漬物にしたりジャムにしたりして加工品にしますが
廃棄処分になるものもたくさんあります。

この数字からお分かりのように
一度にたくさんの量を必要とする給食現場において
地域でとれるものだけで食材を賄おうとすると
いきおい規格外の農産物も使わざるを得なくなります。
これで規格外品の一部が救われます。
よかった…

ただ調理員さんの手間は大変になり労働時間は長くなります。

もし地域に化学合成農薬を減らした栽培を試みている農家さんでもあれば
虫がついているかもしれません。
いつもより丁寧に洗浄して調理する必要がでてきます。

今より人手を増やさなければ、到底間に合いません。

食育というと
イベントを開くとか講師になる、とかといったイメージが多いのですが
給食の調理員さんになる
というのも子供たちの食育の場に参加することになります。

また子供たちにより充実した給食を提供するシステム作りに参加する
というのも食育に携わることになります。

ちょっと数字が多くて
堅苦しかったけれど
子供たちの笑顔に毎日直接触れることのできる
給食という食育の場がある、というお話でした。

長くなってしまったので、給食には色々な法律の壁があって
とっても奇妙なことがおきている、という話はまた今度にします。

あなたは
みかんを食べるとき、皮ごと茹でてから食べますか?
サラダを作るとき、レタスを熱湯に通しますか?
そんなお話しです。

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2007.04.17 02:28

謎のトラクター 前編

 
松宮園生です。

アメリカ西海岸のとある農場視察に行ったときのこと。

アメリカ人の知りあいから、
「面白イカラ行ッテミルトイイヨ。ドウ面白イカハ見テノオ楽シミ」
と勧められた場所があり、
とりあえず、都会からクルマで30分くらい走って行ってみました。

道に何度か迷ってようやく到着したそこは、
こじんまりとした農園になっていました。

農園の入口に人だかりがしていたのでのぞいてみると、
ショップになってて、
野菜だの果物だのが置いてあるほかに、
スプーンだの皿だの、本だのビデオなどが陳列されていて
どうやら土産物ショップのようでした。

その農園は、ちょっとした観光地になっていたようです。

土産物ショップをうろうろしていると、麦わら帽子をかぶったニイチャン(イタリア系の顔をしていました)が現れ、
「農場つあーヲ始メマース。参加スル人ハツイテキテクダサーイ」
と叫んで歩き始めます。

人々がぞろぞろ歩き始めたので、僕もついていきました。

ニイチャンが配るパンフレットを受け取って一生懸命読んでみると、
その農園は「CSA」という種類の農園で、100年前からやっているのだそうです。
最初は「こじんまりとした農園だな」と思ったのですが、
ツアーに参加してみると、意外に奥行きが広いことが分かりました。

農園では野菜も育てているし、果樹もたくさんあります。
有機農業だそうです。

ヤギやガチョウも歩き回っています。

そのとき、日本人にとって懐かしい匂いがただよってきました。
ほかのツアー客も
「コノ匂イ、何ダロウ?」
といった顔で、鼻をくんくんさせています。

案内役のニイチャンが僕をみつけて
「アンタ日本人デスカ? ダッタラコノ匂イ、分カルネ」
と話しかけてきました。

この懐かしい匂いはどこから来ているのでしょうか?

「アレダヨ」
ニイチャンが指差しました。
その方向に目をやると、
そこにはトラクターが1台。ゆっくりと走っています。

「アレダヨ」
ニイチャンは繰り返しました。

匂いのもとは、トラクターだったのです。

でも、何の匂いだったのでしょうか?

今回はここまで。
次回(その2)では、匂いの正体と、「CSA」と呼ばれる種類の農園のしくみについてレポートします。

ところで、ガイジンの会話をカタカナで表記するのって、なんか昔風だよね。

 

 

 

 

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2007.04.16 11:05

ターザン栄養学 その1

 

松宮園生です。

アメリカの話をします。

マサチューセッツ州というところで内科の医師をやっている知り合いがいます。
仮に、ドクター・チイタッタと呼ぶことにしましょう。

ドクター・チイタッタは
「ポルトベローマッシュルーム」
という種類のキノコを愛する人物です。
ポルトベローマッシュルームは直径が10センチくらいあります。
(写真みてください)

 

2001年ころ、アメリカではこの食材がちょっと流行しました。
とくにイタリアンレストランで、いっとき定番の食材だったようです。

チイタッタ先生の住んでいる近所に、
「ポルトベローマッシュルームのガーリックソテー」
が絶品なレストランがあります。
というか、このレストランの近所に彼が引越ししてきた、というほうが正しいでしょう。
僕も何度かこの店で先生と食事をしました。

チイタッタ先生はサプリメントを山のように飲む人でもありました。
食事の後、30粒くらいのサプリメントを飲むのです。
はじめてその光景をみたとき、僕は目を丸くしました。
その様子をみて、チイタッタ先生は言いました。
「なにもそんなに驚くことはないよ。オレの友達はみんな、こんなもんだよ」

ドクター・チイタッタが食後に飲むサプリメントはこんな内容でした。
*マルチビタミン(いろんな種類のビタミンを錠剤1粒に凝縮したもの)
それ以外に、さらに
*マグネシウム
*クロム
*亜鉛
*マンガン
*セレニウム
*コエンザイムQ10
*イプリフラボン
*GLA(ガンマ・リノレイン酸)

「日本人はサプリメントは飲みません。飲んでも1粒とか2粒とかですよ」
と僕は言いました。

先生はすこし考え込んでいましたが、しばらくして
「オレを日本に連れていけ。セミナーを開いてオレにしゃべらせろ。日本人がもっとサプリメントを飲むように、オレが仕向けてやろう」
などと突然いいはじめました。

いやー、それって大きなお世話だと思いますよ。

と僕は言いたかったのですが、英語でなんていえばいいのか「とっさの一言」が分からずにもごもごしていると、チイタッタ先生はさらにこうつけくわえました。
「これはオマエがオレを日本に招待するんだからな。旅費はオマエ持ちだぞ」
「は?」
「飛行機はファーストクラスまでは気の毒だから要求しないから、ビジネスクラスでいいよ。それから、ここの勘定もオマエ持ちだ」
「は?」

さて、僕がこの強引なチイタッタ先生と知り合ってそろそろ5年になります。
この5年間、サプリメントに対する日本人とアメリカ人の反応の違いを意識することが多かったのですが、その違いがどこから来ているのか、ちょっとした理論を組み立ててみました。
名づけて、「ターザン栄養学理論」

どういう理論なのかは、次回(その2)にて説明します。

(今回は予告編で終わってしまった…)

 

 

 

 

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2007.04.16 00:54

リンゴ1個が1万円?

 
松宮園生です。

今回は農業系の話です。

就農センターというのが各都道府県にあると書きましたが、
農政局というのもありまして、
これは関東に1箇所、関西に1箇所、九州に1箇所、というふうに国内に数箇所あります。

先日ある農政局の友人から電話がかかってきまして、
「ガイジンさんに集まってもらって日本の農産物を紹介するイベントをしたいのだが、面白い企画はないか」
という質問でした。
この友人とは、よくアイデアを交換したりしてます。

えっ、それって、日本の農産物を輸出するってこと?
ちょっとビックリしました。

日本は食糧の自給率が低い国で、海外からたくさん輸入している国です。
だいたい60パーセントを海外から買っています。
シンガポールみたいにほぼ100パーセントを国外から買っている都市国家を別とすると、日本のこの数字は先進国のなかではダントツに高い数字です。

そんな国が、農産物の輸出なんてまさか、と思ったわけです。

でも調べてみたらこんなことが分かりました。

分かったことその1。
農林水産省は、農産物の輸出を奨励しています。
農林水産省のウェブサイトを見てみてください。
堂々と書いてあります。

分かったことその2。
海外で日本の果物はけっこう人気があるようですね。
たとえばリンゴ。
ヨーロッパではリンゴの「ふじ」がスーパーマーケットに普通に並んでいます。
値段はふつうの値段です。
でもヨーロッパの「ふじ」は日本の「ふじ」よりひと回り小さいので、ひょっとしたら名前は「ふじ」だけど品種は違うのかもしれません。
たぶん、日本で作っているのではないと思います。
海賊版、ですね。

驚くのはアジア。
台湾や中国の上海あたりではここ数年で大金持ちが増えましたが、
その大金持ちが日本の果物を好んで食べているようです。
日本のリンゴが1個1万円で売れたり、みかんも数千円という価格がついたりするとのこと。
(どの品種が売れているのかは不明です。勉強不足で…)

知り合いの中国人に聞いたら、日本の農産物はやはり美味しいのだそうです。
手塩にかけて丁寧に育てているからだと思います。

農林水産省もそこに目をつけたらしく、日本の農産物を海外に売ろうと頑張り始めたわけです。

そんなことをしたら日本の食糧の自給率はもっと下がってしまうのではないでしょうか?
大丈夫なのかな?
いや、でも、農家の人がそれで儲かって生活がうるおうのだったら、それはそれでいいのかもしれません。

1万円出しても欲しがる人がいるリンゴ。
そんなリンゴを作れる日本って、すごい。

このことの是非については、いろんな人のいろんな意見はありますけど、
まあこれからの日本はネギだのホウレンソウだのを中国から輸入し、
リンゴだのみかんだのを中国に輸出するわけです。

 

 

 

 

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2007.04.15 17:51

世界の食べ物をタダで食べまくる悪の楽しみ

 
松宮園生です。

東京モーターショー、ご存知ですよね?
大規模なクルマの展示会です。

あんな感じで、食品の巨大な展示会というのが世界の何箇所かで行われています。
毎年3月に行われる「フーデックス・ジャパン」もその1つです。
「フーデックス・ジャパン」は世界でも有数の規模を誇ります。
場所は、幕張メッセです。

詳細はこちら

フーデックス・ジャパン 2007 (第32回 国際食品・飲料展)
2007年3月13日(火)-16日(金) 10:00-17:00 (最終日のみ16:30終了)
幕張メッセ (1-8ホール)

はい、じつは先月このイベントは終わっています。
「なんでもっと早く書かないんだ。いまごろ書くなよ」
と思われた方、たいへんゴメンナサイ。

毎年やっていますので、来年3月に行きましょう。

さて、この「フーデックス・ジャパン」では、日本国内、世界各国の食品会社がここに集まり、いろんな食品を展示しています。
そういう会社を「出展企業」といいますが、「出展企業」の数は2000社を超えます。

試食することができます。
というか、試食し放題。
出展企業は、なんとか自分の会社の食品を食べてほしいものだから、試食品の味も工夫されてるし、僕なんかは毎年、この展示会を楽しみにしていました。
(今年は行けませんでしたが)

本来これは、食品を売りたい会社(出展企業)と、それを買いたい会社のための出会い系イベントです。
食品を売りたい会社(出展企業)というのは、食品メーカーや農業会社などです。
それを買いたい会社というのは、商社であったり問屋であったり、ネット通販やスーパーマーケットの仕入れ担当者だったりします。

タテマエとしては、食関係の仕事をしている人しか会場には入れません。

仮にあなたが食品の問屋さんだったとして、フーデックス・ジャパンの会場にやってくるとしましょう。
会場に入ると、目の前には無数のブースが並んでおり、行きかう人々の山です。いきなり熱気が伝わってきます。
国内各地の特産物、世界各国の面白い食べ物があなたを待っています。
あなたは試食品をつまむ。つまみながら、それを作った会社のパンフレットなんかを知ったような顔をして読むわけです。

出展企業の人たちが、あなたに話しかけてきます。
「コロンビアのピタヤという果物ですよ?」
「ペルーのアーティチョークの缶詰です。食べてみてください」
なんて、けっこう珍しいものがあります。
「オーガニックの蕎麦クラッカーです。よろしく」
「ニュージーランドの研究所で開発されたミネラルウォーターです」
みたいなものもあります。

「アゼルバイジャンの赤ワインです。一口どうですか」
「世界でいちばん北にあるビール工場のビールで?す」
お酒まで楽しめます。

そうかと思うと、
「やきそばでーす」
「お好み焼きでーす」
なぜか、大学の学園祭かと思うようなアイテムもあったりします。

試食や試飲をすすめてくれるのは、秋葉原にもいそうなタイプの美女軍団(←死語)だったりしますので、もしあなたが男性であれば、けっこう萌えます。

で、「この出展企業と取引したい」と思うような企業に出会ったら、
そこであなたは名刺交換をします。
そこから、細かい「商談」というやつが始まるわけです。

多くの場合、展示会場は人でごったがえしていますので、その場はいったん名刺だけ交換し、展示会の終わったあとの時間帯に再会して「商談」が行われることもあります。

外国の企業の人々は、幕張メッセの近くのホテルに泊まっています。
展示会の期間中、それらホテルのロビーは「商談」をする人たちであふれかえっています。

たまに不思議な会社がブースを出しています。
「おいしいコーヒーですよお。飲んでみてくださあい」
どんな会社かなーと思ってブースを見上げると、
「パーフェクト・シアトル・コーヒー」
という看板が出ています。
スターバックスとかタリーズコーヒーとかが日本で頑張っているもんなあ、またもやシアトルからコーヒー会社が日本に進出するんだなあ。
そう思って、その会社の名刺をもらうと…

『株式会社山下太一商店。宮城県多賀城市…』
ベタベタに日本の会社やんけ。

と、こんなこともあったりするのがご愛嬌です。

繰り返しになりますが、本来ここは、食品を売りたい会社と、それを買いたい会社のための出会い系イベントです。
タテマエとしては、食関係の仕事をしている人しか入れません。

しかし実際には、
(1) 名刺があれば、あとは所定の入場料を払えば入れます。
(2) 食品会社に友達がいれば、なだめたりすかしたりして招待券を手に入れてもらってください。招待券があれば、タダで入れます。

というわけで、見るからに東京観光のつもりで食べまくっているオバチャンがいたり、デートに利用しているふとどき者がたまにいたりもします。

いろんな楽しみ方があるということですね。

繰り返し「ゴメンナサイ」ですが、このイベントは先月終わりました。僕も行けませんでした。
次は来年の3月です。そのときは是非行ってみてください。

◆◆◆

「フーデックス・ジャパン」は世界でも有数の規模を誇る食品の展示会ですが、
世界最大のものは
「アヌーガ(ANUGA)世界食品メッセ」
と呼ばれるもので、ヨーロッパで開かれています。
遠いですけど。
(僕は行ったことがありません)

詳細はこちら

アヌーガ(ANUGA)世界食品メッセ
2007年10月13日(土)-17日(水)
ドイツ連邦共和国 ケルン・メッセ会場

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2007.04.15 11:46

イケてる就農センター その1

 
松宮園生です。

食育の話題を提供するのに、食べるものの「おおもと」を
担っている農業の話は避けて通れないなと思っています。
当初、このブログでは農業のことを書かないつもりでしたが、
考えを改めました。
今後はときどき、農業についても、思っていることを書こうと思います。

というわけで、今回は農業系の話です。

就農センターというのがあるのをご存知ですか?
農業をしてみたいと思うけど右も左も分からないという人が、とりあえず相談に行くところです。
各都道府県に、1つか2つ、あります。
たいていは県庁所在地に。

とある就農センターに僕は2度、行きました。
1度目は、農業をしてみたいと思うひとりの個人として。
2度目は、「食育プロダクション」の名刺をもって取材として。

まず1度目の話から。
農業をしてみたいと思うひとりの個人として行ったわけですが、
優しくいろいろ教えてくれると思ったのに、相談窓口に出てきたオジサンに、イヂメられました。

こんな会話です。
「農業したいんですけど」
「ふーん。何作るの?」
「えっ、いきなりそんなこと聞かれても…」
「何を作りたいかも決めずにここに来たの?」
「はあ…」
「土地はどこにあるの?」
「土地、ですか?」
「土地がなきゃ農業できないだろーが」
「はあ…」
「あんた、ここに相談に来るときはさ、どのへんの土地で何を作りたいかくらいは考えてから来なさいよ。結婚してる?」
「してますけど…。どうしてですか?」
「嫁さんが来ないからだよ。だから独身には農業は薦めないんだ」
「はあ…」
「それとさ、貯金はあるの?」
「貯金ですか? 少しくらいは…」
「農業は儲からないからね。貯金は食いつぶすつもりでいたほうがいいよ」
「儲からないんですか?」
「とにかくさ、あんたはなんの準備もしないでここに来たみたいだけど、どこで何を作りたいかくらいは決めてから来なさいよ。はいおしまい」

追い出されるように就農センターを去った僕。

右も左も分からないから相談に行ったのに、何を作るのかだの、土地はどこにあるのかだの、そんなことを聞かれても困ります。
それに、嫁が来ないだの、貯金を食いつぶすだの、まるで農業なんかやめておけと言わんばかりです。
そりゃ、僕はモテませんけどね。

1ヶ月ほどたってから、同じ就農センターに2度目の訪問をしました。
こんどは「食育プロダクション」の名刺をもって取材として。

さすがに同じオジサンは出てきませんでしたが、今度のオジサンはため息をつきながらこんな話をしました。

「去年、このセンターには1万人の相談者が来たんですよ。
とにかく応対が忙しくて大変でした。
休み無しで応対して、1日平均300人ですからね。
すごい数でしょう。農業は人気があるんですねえ。
でもね、社長さん、1万人の相談者が来るといってもね、
そのうち99パーセントは、相談に1回来るだけで、2度と来ないんですよね。
なんでか分からないんですけど。
だから本当に農業を始める人って、すごく少ないんですよ…」

99パーセントが2度と来ない理由が、僕にはよぉく分かりました。

 

 

 

 

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2007.04.14 12:26

食育は英語で何というの? その6

 
松宮園生です。

「食育は英語で何というの? その4」の続きです。

ますは復習から。

「ワークサイト・ヘルス・プロモーション」とは、
ワークサイト(職場)で
ヘルス・プロモーション(健康増進)の活動をする
ことを指します。

社員が健康になればなるほど、会社の業績もあがる。
アメリカ人の社長さんたちはこういうふうに考えていますので、多くの会社がワークサイト・ヘルス・プロモーションに取り組んでいます。

「ワークサイト・ヘルス・プロモーションの専門会社」というのもできました。
アメリカ人の社長さんたちはこうした専門会社と契約し、社員の健康増進を任せるわけです。

では本題。

当初、ワークサイト・ヘルス・プロモーション専門会社が一生懸命にとりくんだにもかかわらず、社員のメタボ具合はあまり改善しませんでした。

以前書いた「フード・ディバイド」と似たようなことが起きていたのです。

健康増進に興味のある人は、ますます熱心に運動や食生活改善に取り組むようになりました。
しかし興味のない人は、あいかわらず健康増進なんて「どこ吹く風」でした。

どれどころか、ワークサイト・ヘルス・プロモーションに反発を覚え、
「健康? んなこたぁ、オレの体だ。どうしようとオレの勝手だろ。
仕事さえできてりゃいいじゃねぇか。ほっといてくれ」
と文句をいうグループまで生まれるようになりました。

こういう人たちのことを、日本風に
「てやんでぃべらんめぃ型」
と呼ぶことにしましょう。

ワークサイト・ヘルス・プロモーションの専門会社は困りました。
このままメタボが改善しなければ、契約を解除されるかもしれません。
大変です。

彼らが調査したところでは、「てやんでぃべらんめぃ型」の人たちはほぼ間違いなく、昼食をファーストフードで済ませていることが分かりました。

そこで専門会社は、あらたなキャンペーンを始めることとしました。
「イケてるファーストフード・イケてないファーストフード ガイドブック」
という意味の小冊子を作り、配布したのです。

そこには「良いファーストフード店」「ダメなファーストフード店」が実名で載っています。
同じ店の中でも、「良いメニュー」「ダメなメニュー」が実名で載っています。

ぜんぶ実名で載っているのがアメリカらしいところです。
この国は、比較広告(他社の商品をけなし、自社の商品をほめる広告)が許されている国ですので、こういうこともわりと平気で行われるのでしょう。

僕の手元にその小冊子があります。
日本円になおして400円くらいの値段がついています。
開くと、マクドナルドやバーガーキングのほか、スターバックスも載っています。
近ごろ東京(新宿)にオープンして話題になっているクリスピークリームなんかも載っています。
で、店の比較、商品の比較がこまごまと書かれています。

要は、
「あんたら(てやんでぃべらんめぃ型の人たち)、どうせファーストフードを食べるのをやめないんでしょ。
だったらせめて、そのなかでもマシなのを食べなよ」
ということですね。

さて、こうした取組みは始まったばかりですので、効き目があったかどうかはまだ分かっていません。
今後のレポート待ち、ということになります。

 

(今回の最後に その1)
近い将来、日本にもワークサイト・ヘルス・プロモーションが普及すると僕は考えています。
専門会社も生まれるでしょう(すでに生まれつつあると聞いています)。

(今回の最後に その2)
日本で「てやんでぃべらんめぃ型」社員がもっとも多い業界はどこだと思います?
食事指導の経験豊富な管理栄養士さんに聞いてみたところ、
「てやんでぃべらんめぃ型」が少ない業界:製造業・銀行
「てやんでぃべらんめぃ型」が多い業界:商社
だそうです。

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2007.04.14 03:10

食育を通して得られるもの


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆


シニア・野菜ソムリエの遠山由美です。

前回(あなたが欲しい食育情報はどれ?)の続きです。

会場を埋めていたスーツ姿の男性が途中でパラパラと帰ってしまった食育シンポジウム。
その名は「第2回 食を考える国民フォーラム」。
今回のテーマは「五感を通じて学ぼう!みんなで体験・教育ファーム」でした。

充実した内容で、とても全ては書ききれませんが
まず「食育をとおして、子供たちは何を得るのか」について
うかがった内容をかいてみます。

それは
「自分が他人に何かをしてあげる喜び」。
いいかえれば
「育む喜び」とか「与える喜び」といった感覚。
さらには
「ひとりで何かをやり遂げる自信」。

なるほど、少子化で弟、妹の世話をすることもなく
近所で年齢関係なく集まって遊ぶということもない今の子供たち。
両親と4人の祖父母、6人の大人から
「何かしてもらう」経験しかしたことがなく
ちょっとつまずくとすぐ「助けてもらう」。
というより大人が待っていられなくて、「助けちゃう」。

大人のほうで
子供が「何かしてあげる」機会も「頑張りぬく」機会も
奪ってしまっているのかもしれませんね。

教育ファームで牛にブラッシングして「あげる」と
牛のご機嫌が変わる。
(ええ、勿論国語的には「あげる」ではなく「やる」が正しいのはわかっておりますよ。
 まあ、ここはあえて「あげる」と書かせてください)
子供たちはそれが単純に嬉しいらしいのです。
悪臭に耐えて、牛舎の掃除をして「あげる」。
搾乳して「あげる」。
作業の結果がすぐ反応として感じられる点で
農業体験より、酪農体験の方がより食育向き、とのことでした。

農業だとどうしても
田植え&収穫というように
楽しいイベントだけ経験し
草取り等大変な作業は農家の方にまかせになってしまいがち。
本当の苦労や、やり遂げたという実感を味わいにくいのですね。

そういえば私も学生時代、泊り込みの乳牛の世話で
3週間で8キロ痩せましたっけ。

清潔な環境になれた子供たちにとって
牛の世話は最初カルチャーショックのようですが
命との触れ合いにすぐ夢中になるそうです。

講演会の中では、子供たちの五感が衰えたのはなぜだと思うか?
とのコーディネーターの質問もありました。
パネリストの方々が色々おっしゃる中で
女優の高木美保氏の
「五感が衰えている、とは思わない。小さな子供が上手にテレビゲームをする様子をみると、とても自分にはできないと思う。
ただ体験や経験に偏りがあるためバランスが崩れている。
このバランスを取り戻す機会を農業体験を通して与えてやればいいのではないか」
との発言が印象的でした。
また
「近頃若者の犯罪が増えている、というけれど統計的には
むしろ減っている、というのが事実です」
との冷静な発言にも好感が持てました。
勿論「イジメを理由にした自殺はゼロ」なんていう
お役所の統計(?)もあるので統計の実態を確認する必要はありますが。

そう、「いまどきの子供は」なんてすぐ言うけれど
「いまどきの若い者はなっとらん!」という言葉は
エジプトの壁画にも書かれている文言だそうで
統計もなしに、感覚で若い人をけなすクセは
こと食育においては危険だと思うのです。

私は職業柄、よく地方の食農体験を実施している方々にお目にかかります。
それぞれ確かに感銘を受けることも多いのですが
最近少し疑問を感じることもあります。
食育が子供のためではなく
自分のためになってしまっている方がいらっしゃるからです。

お箸が持てない子、噛めない子、確かに問題がないとはいいません。
でも、全てにおいて「昔はよかった」式の考えには疑問があります。

体を取り巻く環境が異なる以上
昔と全く同じ食生活がいい、とは思えません。

また昔の食、として調理実習するものの中には
日常食の「ケ」の料理ではなく
「行事食」の「ハレ」の料理が多いように思います。
これを昔の「健康を支えた食」と考えるのはどうでしょか。

「赤ちゃんを産んだら
母乳の出がよくなるからと、お餅を沢山食べるように言われた。
でもよく出たのは、母乳ではなく腹だった」
なんて笑い話もあります。

よく考えず
昔を現在に甦らせても、混乱を生むだけではないでしょうか。

時代の流れの中で、本当は大切だったのに、気付かず切り捨ててしまったもの。
それを再確認し取り戻すのはすばらしいことです。
でも何でもかんでも「昔はよかった」は困ります。
食育が
「切り捨てたものにノスタルジーを感じて飛びつく人生のベテランたちのいきがい」
だけに矮小化されないような工夫がそろそろ必要な時期とも感じます。
今はまだ体験自体が少ないのでどの体験も貴重でしょうが
食農体験が乱立してくると
子供たちには整理しきれない矛盾が生じてくる可能性があるのではないでしょうか。

最後にこのパネルディスカッションの登壇者で
冷静さと情熱の両方を持ち合わせた
素敵な中学校の校長先生のお話しを書いてみます。

先生は食育について
?まず「感覚」と「体験」。
?次になぜそうなるのかという「理論」や「知識」。
?両者を融合させた、もう一段高いところにある「感性」。
この「感性」までたどりつかなければ食育ではない、とおっしゃっていました。

現在の食育は残念ながら?のみだったり?のみだったりすることが少なくありません。

食育を具体化していくためのノウハウ。
これが今最も問題になっているところでしょう。

具体化するにはお金もかかる。

「日本人にはいいことをするときはタダじゃなきゃいけない、みたいなところがある」
とはこれまた高木氏の鋭いご指摘。

教育ファームを実施すると
農家さん側は乳量は減るし、仕事は妨害されるし。
だからお金を払う必要があるけれど
制度化すると補助金狙いで、食育を実施せず
お金だけ受け取るヒトもいるのでは
なんて問題もあるそうです。
認証制度やその基準はどうするのか、といった問題も。

難しいですね。

ちなみに…
前回のクイズの答え。
途中退席してしまった男性の多くは「行政関係者」だったようです。

彼らはもう理念なんていっている場合ではない。
早急に食育を具体化しなければなりません。
彼らが欲しい情報は「食育を具体化するノウハウ」。
今回の講演会で語られたのは「理念と具体化することの難しさ」。

欲しい情報と得られる情報に差があったわけですね。

酪農教育ファームについてはこちらをご覧ください。
フランスではシステム化され盛んに行われているのだそうですよ。

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2007.04.12 01:47

食育は英語で何というの? その5

 
松宮園生です。

フード・ディバイドにちょっと関連する話をします。
硬い内容ですけど、ご辛抱を…。

まずフード・ディバイドの復習。
ヘルシーフードを食べる人はますます食べるようになり、食べない人はますます食べなくなった。これをフード・ディバイドといいます。
ナチュラル系のレストランが流行るいっぽう、脂たっぷりの大型ハンバーガーがバカ売れ。
これは先進国共通の現象のようです。

--------------

では本編。

カラダにいいと分かっていても、なかなかヘルシーフードを食べない人々がいます。
なぜでしょうか?
どうしたら、食べてくれるのでしょうか?

ノルウェー、アメリカ、フランスの食育専門家が、この問題についてそれぞれ論文を書いているのを発見しました。

(世の中にはいろんな論文があるんですねえ)


■まずはノルウェーの食育専門家、オスロ大学のベア博士の論文…。

ノルウェーにも栄養士さんが大勢います。
その栄養士さんのグループが知恵をしぼって、さまざまな「食育授業」を学校の教育現場で実施しました。
それこそあの手、この手を使って。

(日本では、「あの手」というのは紙芝居で、「この手」というのはカルタであることが多い。理由不明)

しかし、そうやって考えぬかれた子供向け食育授業ですが、じっさいにはあまり効果がありませんでした。

ヤケクソになったある学校では、「食育授業」というのを廃止してしまいました。
そのかわり、単純に、野菜や果物を教室で配りはじめたのです。

するとどうでしょう。子供たちはその日から野菜や果物をせっせと食べはじめました。
黙っていても配られるので、なんの抵抗もなくそのまま食べてくれるそうです。
これにより、子供たちの食習慣は大きく改善しました。

という話が、論文になっています。

(教訓: 大マジメに「食育授業」を考えた栄養士さんたちの立場は…?)


■次にアメリカの食育専門家、カリフォルニア州立大学のハーマン博士の論文…。

日本の農林水産省に該当するのが、アメリカでは USDA (米国農務省)です。
食育の仕事をしているとよく出る言葉ですので、食育に興味のある方は覚えておくとよいでしょう。

さて、USDA はアメリカ国民がもっと野菜や果物を食べてくれるよう、さまざまなキャンペーンをしていましたが、
あの手、この手を尽くしたなかでもっとも効果があったのは、ごく単純に
「野菜・果物」のクーポン券
を配ったことでした。

クーポン券をお店にもっていくと、野菜・果物がその場でもらえるわけです。
「せっかくタダなんだから」
といって人々はいそいそとお店にいき、クーポン券で野菜・果物をもらい、ついでに追加で野菜や果物を買うんだそうです。

以上がハーマン博士の論文です。

(教訓: 博士、これ、論文にするほどのものではないのでは…?)


■最後に、フランスのダーモン博士の論文…。

ダーモン博士がフランス国内を調査してまわった結果、
「フランス人の食生活は、所得が少ないほどヘルシーフードから遠ざかる傾向が強い」
ということが明らかになりました。
(→フード・ディバイドです)

このことからダーモン博士は、
「所得が少ないほどヘルシーフードから遠ざかるのはなぜか、ということを、政府は本気で調査するべきだ」(←それってアンタの仕事では…?)
「裕福な人もそうでない人も、等しくヘルシーフードが手に入るように、政府がなんらかの経済政策をうつべきだ」
と主張しています。

以上が論文の内容です。

(教訓: どうでもいいけど、ダーモンって、なんだか悪魔っぽい名前だなあ、と不謹慎なことを思うのは、僕だけ?)

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2007.04.11 01:03

あなたが欲しい食育情報はどれ?


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆


シニア・野菜ソムリエの遠山由美です。

さて、多くの方にお会いしていると
食育に対するスタンスの違いが見えてきます。

とりあえず食育がブームだからウンチクを語りたい人。
実際に食育の先生になりたい人。
おうちで自分の子供に食を伝えたい人。
すでに食育活動をしている栄養教諭や学校給食関係者。
食の現状を憂い、他人を啓蒙したいとの使命感に燃えている人。
食育イベントを開かなくてはならなくてネタ探しに奔走している企業の人。
法律にそって大急ぎで食育推進計画を立てなくてはならない行政関係者。

そのスタンスによって必要な情報が異なります。

そこで、昨日大きな書店に出かけ
片っ端から食育関連の本を眺めてきました。
その結果、本の内容を大雑把に分類できることに気付きました。

? 理念の本
? HOW TO 食育講座の本(具体的な媒体・グッズ、講座計画が載っているもの)
? ?+?の本(理念の解説があり、その理念をいかに食育講座に落としこむかの
  HOW TO が載っているもの)
? 食育講座実例集
? 食そのものについて書かれている本(食べ物のトリビア的なもの)

なるほど食育関連本と一口にいっても全く内容は違います。
そしてどの食育スタンスの方にも
それぞれに適した本がでていることが分かりました。
さて、あなた自身が今必要なのはどれですか?
また、あなたはどのタイプの人にどのタイプの本をお薦めしたらいいか
お分かりになりましたか?
これがわかると
食育の仕事を進めて行く上で
どんな方と協力しあったらいいのかもわかるし
もし食育がうまくいっていないなら
どんな情報が不足しているためにうまくいかないのか
自ずとわかるのではないでしょうか。

食育には根強い反対者もいるようです。
お料理が苦手だから食について国民全体が盛り上がるような雰囲気は嫌だ
といった可愛いものから
食について、国家が正しい、間違っているを決めて押し付けるのか?
という反発まで様々です。

食の選択権、最終的な決定権が個人にあるのは当然ですが
食糧自給の問題、農業政策、環境問題など
皆の総意で国が向かっていく方向を決めなければいけない事項があることも
また事実ではないでしょうか。

食育へのスタンスは違っても
皆が協力しあって
食育が上手く進んでいってくれたらいいなぁ、と思う今日この頃です。

そうそう
先日ある食育講演会に出かけました。
パネリストのお話しはとても興味深く
一生懸命メモを取りながら聴いてまいりましたが
途中でバラバラと結構大勢の方が帰ってしまうのです。
そのときはなんで?と思いましたが、今は納得。
ちなみに帰っていったのは
スーツ姿のおじ様ばかりでした。
帰ってしまった、ということは
この講座で得られる情報と彼らが欲していた情報にズレがあった
ということですね。
さて、この人達の食育スタンスと職業、想像できますか?
食育講演会の内容、想像できますか?

このお答えは食育講演会の内容と一緒に
次回お話しいたします。

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2007.04.10 01:53

食育は英語で何というの? その4

 
松宮園生です。

日本食、世界のあちこちでブームになっていますね。
3月にニューヨークで、日本食のフェスティバルが行われました。
(3月4日?10日)

僕はおカネも時間もないので行けませんでしたが、
どなたか行ってこられていたら、様子を聞かせてくれると嬉しいです。

さて本題。

アメリカでは、会社にメタボな社員(メタボリック・シンドローム社員)が増えると、会社の業績も落ちると考えられています。
逆に、メタボな社員が減れば、会社の業績は上がると信じられています。
そのために、
●社員のためのスポーツジムを社内に設置したり
●社員食堂(カフェテリア)のメニューをヘルシーメニューに変えたり
●「もっと野菜や果物を食べよう」というスローガン(*)のパンフレットを社員に配布したり
といった工夫をする会社がものすごく増えています。

このような工夫のことを
Worksite Health Promotion (ワークサイト・ヘルス・プロモーション)
と呼びます。

たとえば IBM のような会社は30年前から「ワークサイト・ヘルス・プロモーション」を始めているそうです。
ほかにも、キャタピラー、ファニーメイ、シグナ保険といった大企業も、
1990年代から「ワークサイト・ヘルス・プロモーション」に取り組んでいます。

「ワークサイト・ヘルス・プロモーション」の専門会社というのも多数生まれています。

ところで前回(その3で)書いた「フード・ディバイド」のことをちょっと思い出してください。
国をあげてのさまざまな努力にも関わらず、アメリカ人の食生活は改善せず、メタボな人も減りませんでした。

これは会社の社員にも当てはまります。
会社が「ワークサイト・ヘルス・プロモーション」に懸命になっているにも関わらず、 一部の社員は食生活をなかなか変えませんでした。

この状態に手を焼いた「ワークサイト・ヘルス・プロモーション」の専門会社は、最近ある面白い実験を始めています。

どんな実験なのでしょうか?

今回はここまで。続きは次の次(その6)で書きます。


(*)「もっと野菜や果物を食べよう」というスローガン
= 5 A Day (ファイブ・ア・デイ)と呼ばれています。
詳しくは「食育は英語で何というの? その1」
を参照してください。

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2007.04.09 02:34

取得が有意義であった資格の話


食育の仕事をしてみたい人、必見!
人気「野菜ソムリエ」と「プロダクション・チーフ」が
食育の世界にご案内します。

◆◆◆


シニア・野菜ソムリエの遠山由美です。

実際に食育を行っている方に
「あなたが食育で一番大切にしていることは何ですか?」
と質問するとほとんどの方のお答えはこうです。
「楽しいこと」

もちろんこれは食育において欠かせない要素です。
でも、楽しいこと、と答える方の講座を実際に拝見してみると
なるほど納得、楽しく学べる講座と
何となく腑に落ちない講座の2種類があることに気付きます。

この差は何?
おそらく食育者の「基礎食育力」であろう、と私は思っています。

基礎食育力のある人とは
自分の食育理念をもち
それを裏付けるためのデータをきちんと揃え
食に対して正しく認識すべき部分(学んでもらう部分)を
「楽しく表現している」人のこと。

対して基礎食育力のない人とは
ただ単に
食に対する興味をかきたてるための話題を
「楽しくおしゃべりしている」だけの人のこと。

何を聴いても「とにかく楽しいことが大事なのよ!」と言い張るだけの人は
要注意だと思っています。

自分にとって必要な基礎食育力とは何か。
これは、自分が
どのような場で
どのような方を対象に
何を目指して
食育をするのかによって異なってくるものだと思います。

私の場合は学生時代に培った
「食と人間のありかたに関する考え方」をベースに
その後実務を積み上げるうち
野菜と果物、というところに辿り着きました。
さらにこれを仕事としているうちに
「食が人間に対してできることの限界」を知りたいと思い始めました。
食に無関心な人が増えている現状は心配ですが
食に過大な期待をかける人達の存在はもっと気になったのです。

わかりやすい例が「あるある大辞典」事件。
「たった一つの食品を摂取して、体が変化する(痩せるだの若返るだの…)」
という番組の問題点がようやく世間に認知されました。

次々と捏造が発覚し「次は何?」なんていわれていますが
「たった一つの食品で何かが起きる」という考え方自体が幻想ですから
その幻想に基づいて作られた番組は
程度の差こそあれ全て「作りごと」に過ぎません。
ひとつひとつ検証するまでもないことです。
ひとつの番組の中には正しいレポートもあったでしょうが
最初の考え方が幻想ですから、番組全体としては全てが捏造になってしまいます。

この事件をきっかけに多くの方が「食の力」の素晴らしさと限界の両方を
考えてくださるようになると嬉しいな、と思っています。

さてこの「素晴らしさと限界」の両方を知るのに
最適だと思う資格がひとつあります。

独立行政法人 国立健康・栄養研究所が認定している
栄養情報担当者
(Nutrition Representative = NR)
です。

私達が日常「口にするもの」には
薬事法で定められた薬から、ごく普通の食べ物まで様々。
なかでも最近は健康食品だの健康補助食品だのトクホだの栄養機能食品だの
ただの食べ物(=おいしかったり、おなかがいっぱいになったりするもの)なのか
なんらかの効果効能を期待して食べたら「効く?」のか
訳の分からないものが増えています。

本来食品の栄養素や栄養については
管理栄養士さんや栄養士さんという専門職がありますが
栄研(独立行政法人 国立健康・栄養研究所の略です。長いので…)は
乱立する健康食品や健康情報を懸念し
NRという人が必要だと考えているようです。

「身近な所で、健康食品の相談ができるような専門家がほしい」という
ニーズにこたえるために
「健康科学(医学入門レベル)や栄養学、食品科学
の基礎知識と技能をマスターしていることを前提条件とし
これらを基盤とした上で健康食品に関する知識と技能を習得する」
とテキストに書いてあります。

本来は「信頼のおける健康食品のアドバイザー」として作られた資格ですが
「普通の食品に対しても何らかの健康効果を期待する」という現在の風潮の中では
口に入れるもの全ての可能性と限界を的確に表現できるものとして
食育の分野でも大いに役に立つ資格です。

NRは管理栄養士さんと同じようなレベルの内容を
短期間に勉強することが可能なので
食の栄養的側面、健康効果的側面の知識を習得したいという
本気度の高い方には、忙しいけれどお勧めです。

またこの資格があると
受講するのに「医療系の国家資格をもっていること」が条件になっているような
講座を受講することが可能になるケースもあり
2008年に本格導入される新しい保健指導にかかわっていきたい
と考える方にもお勧めです。

食育の場として、民間企業を選ぶとなると
「自分の行った食育がどのようなよい結果をもたらしたか」
という効果測定が必須になります。
食育を受けてくださる方が楽しいだけでなく
その食育の場を提供してくださる企業さんにも
メリットがあることを明確に示さなければなりません。

不二家の事件をみていても
これからは自分に都合のいい企業運営では生き残れない、ということがよく分かります。
CSRという言葉が叫ばれるようになって久しいですが
人々が神経質になりがちな食品分野において
情報開示はその核となるといっても過言ではないでしょう。
都合のいい情報だけでなく
不利な情報もきちんとアナウンスメントしなくてはなりません。

「この製品がヒトに対して供与できる価値」
を過不足なく伝えることのできるNRは
企業における食育でも大きな役割を果たせる、と思っています

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2007.04.08 21:29

どっちだ?

 

松宮園生です。

 

<第1話: 寿司ポリスがやってくる!>

農林水産省が、海外の日本食レストランを審査して
「正しい日本食の店」と「ニセモノ」
とを分けることを計画しています。

「寿司ポリス派兵計画」です。

去年の11月にそれが発表されたのですが、
「そんなことをして何の意味があるのか。バカバカしい。じゃあ日本のカレー屋はインドのニセモノだというのか?」
とテレビのあるキャスターが怒っていた。


その後、ある朝テレビをつけたら、こんな報道をしていました。
「海外視察に行った。いくつか日本食レストランに入ったが、ニセモノが多くて腹が立った。何だあれは。カラテチョップという名前の日本食店に入ったら、うどんにブロッコリーが入っていた。しかもデザートにチョコレート寿司が出た」
といってプンプン(←死語)怒っていた。

でも僕は発見しました。
どちらも、同じキャスターだったのを。

 

<第2話: BSE(狂牛病)>

僕はふだん肉をあまり食べないので、関心がないせいでよく分からないのですが、
米国産の牛肉、いまは輸入されているんでしたっけ?
まだ輸入禁止状態でしたっけ?

まあともかく。

去年、米国産牛肉の輸入が再開されたときに、テレビのニュース番組で、あるキャスターが
「日本はアメリカの圧力に負けて輸入再開をした。全頭検査をしていないのに輸入を許すとはけしからん」
と怒りの発言をしていました。

その5分後、同じ番組で
「久しぶりの牛肉輸入のおかげで以前の牛丼を出せるようになった吉野家に、大勢の牛丼ファンが並んだ」
というニュースが報道されましたが、
さっき怒っていたキャスターが今度はニコニコしてこう言いました。
「いやー、牛丼ファンの皆さん、よかったですねえ」

 

 

 

 

食育というテーマでセレクトしています。
「食育的な心を満たすオンラインストア」
http://astore.amazon.co.jp/shokuikuprodu-22

食育プロデュース委員会

 

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2007.04.08 02:39

食育は英語で何というの? その3

 
松宮園生です。

まず前回(その2)の復習です。

5 A Day (ファイブ・ア・デイ)というキャンペーンが功を奏し、
いまではアメリカ人のほうが日本人よりも野菜・果物を食べるようになりました。
ヘルシーなレストランも増えました。

ところが、体によいとされる野菜・果物を多く食べるようになったはずなのに、
アメリカ人の「メタボ度」は、ちっとも改善しなかったのです。
肥満の割合も減りませんでした。

なぜでしょう?

その理由はまだよく分かっていませんが、僕は
「フード・ディバイド」
が原因なんじゃないかなと思ってます。
「フード・ディバイド」は勝手に作った造語です。

今回はその「フード・ディバイド」についてです。

「フード・ディバイド」を理解していただくために、
バーガーキングの話と、ベジタリアン文化の話を書きます。

<バーガーキング>

マクドナルドはアメリカで1番大きなハンバーガーチェーンですが、
2番目に大きいのはバーガーキングです。
(バーガーキングは日本にも進出していた時期がありましたね。
いまでは撤退していますが、再び日本進出するらしいというウワサがあります)

近年、アメリカのそこかしこにヘルシーなレストランが増え、野菜・果物を食べるアメリカ人が目立つようになりました。
マクドナルドも、「長いものには巻かれろ」と思ったのか、かなり豊富なメニューでサラダを出すようになりました。
ところが、そんな世の中にも関わらず、その時流に反抗するかのように、
バーガーキングは
「わが社のハンバーガーは野菜を減らし、肉の量を倍にする。脂の量も増やす!」
という発表をしました。
たしか2004年のことだったと思います(記憶があいまいですけど)。

どうなったと思います?

答。肉たっぷり、脂こってりのバーガーキングの売れ行きは倍増しました。
売れに売れて、バーガーキングの株価も高騰しました。

<ベジタリアン文化>

日本人は一般的に、野菜や魚や肉をまんべんなくバランスよく食べるのを良しとする傾向がありますが、
それに対し、アメリカ人の考え方は極端です。
日本では、「自分はベジタリアンだ」と主張する人はあまりいませんけど、
アメリカにはベジタリアンが多く、ことあるごとに「自分はベジタリアンだ」と主張しています。

アメリカのベジタリアンの数は急増しています。
これも記憶があいまいですが、現在アメリカには数百万人のベジタリアンがいるとされています。
ハリウッドのスターにもベジタリアンはたくさんいます。
健康に気をつかってベジタリアンになった人もいれば、動物愛護の気持ちでベジタリアンになった人もいるようです。

アメリカのベジタリアンは恋愛の相手にも同じベジタリアンを要求することが多く、
「ベジタリアン専門の出会い系サイト」
というのが2年ほど前に大流行していました。
人気のある雑誌に、
「ベジタリアン女性と肉食男性の悲恋」
みたいな特集が載っていたりもしました。

ベジタリアン専門の雑誌というのも売れています。
上の写真は、ちょっと古いですけど、アメリカでわりと人気のあるベジタリアン専門雑誌の表紙です。

この写真、面白いでしょう?
ウィル・スミスに少し似ているマッチョな男性が、野菜・果物をかかえてサワヤカに笑っています。
アメリカ人のベジタリアンはこういうイメージです。
つまり、早起きしてジムに行き体を鍛え、朝食にサラダを食べ野菜ジュースを飲み、それから会社に出勤。
そういうライフスタイルです。

<以上のことから何が分かるか?>

かたや、肉たっぷり、脂こってりのバーガーキングが売れた。
かたや、急増するベジタリアン。

どうなっているのでしょう?

おそらくこういうことが起きているのだと思います。

* 野菜・果物を食べない人はますます食べなくなった。→バーガーキングが売れた。
* 野菜・果物を食べる人はますます食べるようになった。→ベジタリアンが増えた。

野菜・果物を食べる人、食べない人のギャップが大きくなったわけです。
これが、「フード・ディバイド」です。

フード(Food)とは「食べ物」の意味。
ディバイド(Divide)は、区別とか差別とか、違いとか、ギャップとかを表します。

何年か前に「ディジタル・ディバイド」(デジタル・デバイドと書く場合もあります)という言葉がちょっと流行りました。
覚えている方もいるかもしれません。
「パソコンやインターネットを使いこなせる人」
「使いこなせない人」
両者のあいだに生じる、収入や財産の格差のことです。

その言葉にちなんで、「フード・ディバイド」と呼んでいます。

野菜・果物を食べない人たちがますます食べなくなった結果、メタボは減らなかった。
「フード・ディバイド」が、その理由。
僕はそう思っています。

<しめくくり>

最後に一言。
肉たっぷり、脂こってりのバーガーキング。
当時の社長は、ベジタリアンだったそうです。

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2007.04.05 02:34

食育は英語で何というの? その2

 
松宮園生です。

まず前回(その1)の復習です。
日本語の「食育」はいろんな意味がごっちゃになっているので、
ピッタリ当てはまる英語はなかなか見つかりません。
「食育」に近い英語として、
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)
Nutrition Education(ニュートリション・エデュケーション)
Food Fight(フード・ファイト)
という言葉を前回、紹介しました。
できればこの3つは暗記をお勧めします。

では本題に移ります。
最初に書いた
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)
とは、
「健康のために毎日5皿以上の野菜・果物を食べよう」
という意味のスローガンです。
アメリカを中心に世界に広がったスローガンです。
発祥の地アメリカでは、20年も前から連邦政府や州政府、学校、飲食店、食品企業がこのスローガンを広める全国キャンペーンを進めていました。

その結果、アメリカ人の野菜・果物を食べる量は大幅に増えました。
皆さん、日本人とアメリカ人、どっちが野菜や果物を多く食べていると思いますか?
国民1人あたりの計算で、どちらの国が野菜や果物を食べているかというと…
じつはアメリカ人のほうが野菜・果物を食べています。
昔は日本人のほうがたくさん食べていました。
ところが数年前にそれが逆転し、今はアメリカ人のほうが多く食べています。
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)のスローガンは成功したわけですね。

野菜・果物を食べる量が増えたということは、ふつうに考えれば食事がヘルシーになったということです。
じっさい、アメリカではヘルシーなレストランが増えました。
とくにニューヨークやカリフォルニアにはベジタリアンの有名店や、マクロビオティックの有名店がたくさんあり、セレブリティの人々もよく通っています。

むかしはそのようなヘルシー志向のレストランは、食材こそ良いものでしたが、味は今ひとつ、接客も今ひとつで魅力に欠けるところがほとんどでした。
しかしセレブリティの人々がヘルシーなレストランに好んで通うようになったおかげで、レストランの質は大幅にグレードアップしています。

さて、野菜や果物たっぷりのヘルシーな食事をとるようになったアメリカ。
アメリカ人の健康状態もさぞ改善したことでしょう。

ところが、そうはなりませんでした。
たしかに野菜・果物を食べる量は増えたのですが、不思議なことに、アメリカ人の「メタボ」(メタボリック・シンドローム)は減りませんでした。
肥満の割合も、ちっとも減らなかったのです。
アメリカ政府はあいかわらず、国民のメタボ状態に頭を抱えているのです。

これはいったい、どういうことなのでしょうか?
野菜・果物は体によくないのでしょうか?

そうではありません。
野菜・果物を食べると体によい、というのは科学的にも正しいとされています。
その正しさを裏付ける医学の研究もたくさんあります。
それこそ世界中で何万もの研究が、野菜や果物の味方をしています。

ではなぜメタボは減らなかったのでしょう?
なぜ肥満も減らなかったのでしょう?

その理由はまだよく分かっていません。
ですが、僕は
「フード・ディバイド」
が原因なんじゃないかなと思ってます。

「フード・ディバイド」は勝手に作った造語です。
次回(その3)では、この
「フード・ディバイド」
のことを書こうと思います。

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2007.04.04 02:16

食育の資格の選び方

 

 

 

 

 

よくこんな質問を受けます。
「食育の資格をとりたいのですが、たくさんあって、どれがよいかわかりません。
どれがいいですか?」

確かに色々あります。
食育コーディネーター、食育インストラクター、食育アドバイザー、食育コンシュルジュ、食育デザイナー、食育コンサルタント、食育エキスパート、食育スペシャリスト、食育コミュニケーター、食育指導士、その他諸々…

ふざけているのか?
とでもいいたくなるような名称の数々。
これでは混乱するのは当たり前。

中には、認定団体の存在すらない、個人が勝手に名乗っているだけという「名称」もあるようです。
また認定団体は存在しても、その団体の認定を受けず、勝手に使用している人も存在します。

認定団体は存在しても、なにかのライセンスを提供しているわけではありません。
資格取得後の仕事が確約されたものもほとんどありません。

とはいえ、そもそも資格なんて、無資格では仕事に就けないもの(例えばお医者さんなど)をのぞけば、そんなもの。
過度の期待は避け、
* 自分自身が自信を得るため(自己満足では困りますが)のもの
* 自分自身の知識程度をクライアントさんにお知らせするツール
といった割り切りが必要でしょう。

ですから、基本的にはどの資格を選ばれても、大きな差は今のところなさそうです。
ただ経験上、
「組織化されていなくて個人運営に近いもの」
は思想的、思考的に偏る危険性があります。
もちろんその方の考えかたに賛同し、師と仰いで弟子のような生活を望むなら構いませんが、
複数の人の意見が反映され、多くの人に受け入れられるような考え方の団体の資格でないと、企業や公的機関からの仕事は難しくなるのではないかと思います。

大切なのは、どの資格を選ぶかではなく、資格取得の過程で何を得るかです。
ということは…
* あなたにとってなるべく知らないことが多そうなもの、
* 難しいけれど頑張ればクリアできそうなもの
を選ぶのがよいでしょう。
(将来を確約された資格なら、出来るだけ簡単なものを選んだ方がいいですけどね)

また、近道や効率ばかりを考えうまく立ち回ろう、とする人もいますがムダだと知る経験もまた生きてくるものです。
ムダだと知っているだけ、知らない人よりリードです。

肩書きだけをみて、自分達の大切なプロジェクトを発注する企業さんなんてありません。
資格という名の看板選びに時間をかけるより、商品である自分自身を充実させたほうが良いですね。

とはいってもやっぱり資格が欲しい、という方のために
ネットで検索できる資格をいくつか挙げてみます。
ここで挙げる資格をお勧めする、というわけではありませんので
くれぐれもご注意を。
また選んでいただきやすいように
勝手に分類!させていただきました。
あなたにピッタリなのはどのタイプ?
(ここでは栄養士さんになる、といったような王道を選択する場合の大学や、昼間に何年か通学する専門学校などは除いてあります。)

★検定型
指定テキストなどを使って自習するタイプ。
すでに食の世界で働いている方の力試しにもなります。
比較的安価ですし、学習に必用な時間も実力次第。
思想思考的偏りが少ないのもこのタイプの特徴です。
また指定テキストはコンパクトに重要単語がまとめられていて
資格取得後も辞書的に使えます。

FLAネットワーク 「食生活アドバイザー」
http://www.flanet.jp/

Yahoo!ネット検定 「食育エキスパート」
http://cert.yahoo.co.jp/beginner/shokuiku.html

NPO食環境コーディネーター協会 「食育コーディネーター」
http://www.foodea.net/

★通信教育型
指定テキストのほか、レポート提出などが課されるタイプ。
通学時間がかからず、好きなときに取り組める
現在の仕事を続けながら取り組めるなどのメリットがあります。
が、意志の弱い人には不向き。
また検定型に比べ、教材の量がかなり多くお値段も高め。
やりぬくことさえ出来れば実力がつくことうけあいです。

NPOみんなの食育 「フードインストラクター」
http://www.shokuiku.info/

NPO日本食育協会「食育指導士」
http://www.syokuiku-kyoukai.jp/

NPO日本食育インストラクター協会 「食育インストラクター」
http://www.npo-shokuiku.com/

★通学型
1?2日の講習を受けるだけというお手軽の物から
半年近く毎週講座を受ける物まで、様々です。
時間もお金もかかりますが、それらが強制力となって比較的続けやすいのが
このタイプ。
また実際に仕事を始めてから重要となる
人とのネットワーク作りや
人とのコミュニケーション力など
いわゆる「食の知識」以外のものが学べるのもメリットです。

LOHASアカデミー 「食育アドバイザー」「食育コンサルタント」
http://www.lohasclub.org/academy/lap_cc/cc_200.html

日本食文化環境研究所 「食育デザイナー」
http://foodapproach.com/

日本食育コミュニケーション協会 「食育コミュニケーター」
http://www.e-shokuiku.net/

日本野菜ソムリエ協会 「食育マイスター」
http://shokuiku-m.jp/

★なお直接「食育」をうたっていなくても、
食育関連の分野で活躍する人材を輩出しているところもあります。

日本コーディネーター協会 「フードコーディネーター 3級2級」
(検定型)
http://www.fcaj.or.jp/

日本フードアナリスト協会 「フードアナリスト」
(通学型)
http://www.foodanalyst.jp/

日本野菜ソムリエ協会 「野菜ソムリエ」
http://www.vege-fru.com/

 

★★★

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2007.04.02 03:46

食育は英語で何というの? その1

 
松宮園生です。

食育って、英語で何というのでしょう?
和英辞典に載ってないですよね。
ま、どうでもいいと言えばどうでもいい疑問ですが、
でも皆さんは知っておきましょう。
皆さんに仕事を依頼する相手の方は、たいてい知らないのですから。
知っている皆さんはすこし有利です。

女性の知り合いでカリフォルニア在住30年という人がいます。
日本にいたときは小学校だったか中学校だったかの教師をしていたそうですが、まだ20代だったころにポンとカリフォルニアに引越ししてしまいました。
そこで農場をしている日系人と恋に落ち、結婚してそのまま今日に至っています。
日本でいうとフードコーディネーターにやや近い仕事をしています。

この人に聞いてみました。
すると驚きです。
「えっ、食育を英語で…? そんなこと考えたこともないワ。というか、そもそも食育ってナニ?」
こんな答でした。

なぜこんな答が返ってきたかというと、
じつはアメリカには「食育」にぴったり該当する言葉がないからです。
日本語の「食育」は、食文化とか、栄養とか、地産地消とか、食事のマナーとか、スローフードとか、なんだかそういうものがゴッチャになっているのですが、
英語にはそんな複雑な内容を一言であらわす単語はありません。

その人にも手伝ってもらい、確かめてみました。
日本語の「食育」に近い英語は3種類あります。

まず1つめ。
5 A Day (ファイブ・ア・デイ)という言葉があります。
ご存知のかたも多いかと思います。
健康のために野菜や果物をたくさん食べましょう、という意味です。

2つめは、Nutrition Education(ニュートリション・エデュケーション)という言葉です。
「栄養教育」と訳します。
食育を英語に訳せ、と言われたらこれが一番無難でしょう。

3つめは、Food Fight(フード・ファイト)という言葉です。
フード・ファイトというと大食い競争のように思えるかもしれません。
そういう題名のテレビドラマもありましたしね。
フード・ファイトには「大食い競争」という意味がたしかにあります。
パイ投げ合戦のようなものを Food Fight という場合もあります。
でも、
「体に良いものを食べ、健康を保ち、社会での厳しい競争に勝ち抜く」
という意味もあります。
これはあまり知られていません。

以上、できたら頭の片隅に置いておいてください。

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