食育とは?

食育とは、「育」という字がついているように、教育の一環です。

義務教育、たとえば小学校にいくと「国語」「算数」「理科」「社会」といった科目がありますね。

ここで、あらたに「食」という科目ができたと仮定してください。 その「食」という科目のなかで行われる内容を、想像してみてください。 いろいろなことが思い浮かぶでしょう。 あなたがいま想像したことは、すべて食育です。

ただし、実際には義務教育には「食」という科目がありませんし、食育は義務教育だけのものでもありません。

義務教育の範囲内・範囲外を問わず、広く

  • さまざまな人を対象に
  • さまざまな場面で
  • さまざまな目的から

食育活動が行われています。

さまざまな人を対象に行われる食育活動

■教育というと「子どもに教える」というイメージがありますが、それだけではありません。

  • 大学などが社会人のために講座を開くことがあります。
  • 多くの企業は、社員のために研修を行なっています。
  • 専門家を講師に招いたセミナーなども活発に開かれています。

これらはすべて「大人に教える」教育です。

■教育の一環である「食育」にも同じことが言えます

  • 学校現場で子どもを対象に行われる料理授業
  • 子どもの親が集まり、家庭の食卓のありかたについて話し合う会合
  • 管理栄養士が、社会人を対象に「病気にならない食事」をテーマに行なうセミナー

これらはすべて食育です。

さまざまな場面で行われる食育活動

教育というと「小学校→中学校→高等学校→大学」という学校制度を思い浮かべる方も多いと思いますが、それだけではありません。 「家庭(でのしつけ)」「学習塾」「料理学校」「習い事の教室」「空手教室」「水泳教室」などなど、学校制度以外の場面で行われる教育もあります。

つまり、教育は、「いわゆる学校で行われるもの」「学校以外で行われるもの」の2種類に分けることができます。

教育はまた、「教室での授業」のように屋内で行われるものと、「遠足」のように屋外で行われるものがあります。

以上を表にするとこんな感じです。

(表1)
屋内で行われる教育
屋外で行われる教育
学校で行われる教育
ふつうの授業
遠足や運動会
工場見学
…などの学校行事
学校以外で行われる教育
(大人向けも含む)
家庭でのしつけ
学習塾などの授業
セミナーや講演会
…など
教育目的の有料キャンプ
水泳教室
農場訪問
…など

食育は教育の一環と考えられていますので、上の(表1)をそのまま当てはめることができます。こうなります。

(表2)
屋内で行われる教育
屋外で行われる教育
学校で行われる教育
授業形式で行われるもの
家庭科の調理
給食の場面で行われるもの
…など
食品工場見学
農場訪問
…など
学校以外で行われる教育
(大人向けも含む)
家庭の食卓でのしつけ
食育をテーマにした料理教室
食育に関するセミナーや
講演会…など
食に関するイベント
農場訪問
…など

さまざまな目的から行われる食育活動

たとえば学習塾で行われる教育は、「志望校の入学試験に合格するための学力をつける」料理学校で行われる教育は、「飲食店などで有料で提供できるレベルの料理を作れるようになる」といったことが目的だといえるでしょう。

また、空手教室などでは、直接の目的は「空手の技術と作法を身につける」ではありますが、間接的には「空手を通じて豊かな人間性と逆境に負けない精神力を身につける」といったことを目的としている場合もあります。

■教育の一環である「食育」にも同様に、目的があります

食育の目的として考えられることはさまざまにあります。例をあげますと、

  • 健康という観点から自分の食べるもの・食べ方を考える力をつける
  • 食事のマナーを知る(なぜ日本人は「いただきます」と言うのか、など)
  • (生き物の命をもらっているという観点で)食べ物に対する感謝を知る
  • 食べ物の仕事(農業・畜産業・水産業・流通業・飲食店など)に対する尊敬を知る
  • 地元の農産物を進んで選ぶことの良さ(=地産地消)を知る
  • 環境に配慮した食べ物の選び方・食べ方・あとかたづけの仕方を知る

など、多岐に分かれています。

それぞれ意味のあることであり、どれも重要なことではありますが、目的が多岐にわたり、たくさんあるために、かえって「食育とは何か」が分かりにくくなっているという状態にもなっています。

じつはこの分かりにくい状況は日本独特のものです。

海外に目をむけますと、日本以外の先進国でも食育は行われています。ただし、日本のように「食育に多くの目的が混在している」ケースはたいへん珍しいとされています。諸外国で行われている食育は、ほとんどが「健康という観点から自分の食べるもの・食べ方を考える力をつける」が直接の目的になっており、それ以外の目的が食育の前面に出てくることはありません。

これは、どの国にとっても

  • 「生活習慣病」を減らしたい
  • そのために国民の食生活を改善したい

というのが最大の課題となっているためです。

したがって「さまざまにあるなかで、食育の目的として何がもっとも重要か」ということには一概には答えられませんが、「健康という観点から自分の食べるもの・食べ方を考える力をつける」が国際的に共通した目的になっている、ということは言えそうです。


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